【連載】CKD患者さんのケア

第2回 腎臓の構造と機能

編集 ナース専科編集部

月刊「ナース専科」編集部

腎臓にはどのような機能があり、どのような役割を果たしているのでしょうか。

ここでは、CKDを理解するのに欠かせない腎臓の解剖生理やメカニズム、CKDの経過とリスクなどの基礎知識を解説してもらいました。


腎臓の構造

腎臓はソラマメのような形をした左右1対の臓器で、それぞれ長さ約11cmほど、片方が約150g程度の握りこぶし大の大きさです。第12胸椎から第3腰椎に位置し、肝臓があるため、右腎は左腎よりも低くなっています。

へこんでいる部分が腎門と呼ばれる入り口となり、そこから腎動脈、腎静脈、尿管が出入りしています。

腎臓は、その構造により大きく糸球体と尿細管に分けられます。

糸球体は毛細血管が糸玉のようにもつれた構造をしており、血液の濾過を行います。

その周りをボウマン嚢という袋が取り巻き、濾過された尿を受け止めています。

尿細管は濾過された尿の通り道となります。糸球体と尿細管を合わせたものをネフロンといい、片方の腎臓で約100万個、両方で約200万個のネフロンが存在します(図)。

腎臓の構造とネフロン詳細図

(図)腎臓の構造とネフロン

続いては、「腎臓の主な働き」について解説します。

主な働き

腎臓の機能は、「尿を作る働き」「ホルモンを作る働き」があります。

尿を作る

腎臓には、通常心拍出量(1分間に5L)の約20%の血液が送られ、糸球体で血液中の水分や老廃物が濾過されて、1日に約150 Lの原尿となります。

原尿は尿細管に送られて、必要な水分やナトリウム、カルシウム、カリウム、リン、アミノ酸、ブドウ糖などの成分が再吸収され、不要なものは尿となります。

最終的には1日約1.5Lが生成されて膀胱に流れ、排出されます。

この過程で、

  1. 老廃物を体外に出す
  2. 体内の水分量を調節する
  3. 体液中の成分を適度な状態に整えてバランスを保つ

という3つの働きを果たします。

腎機能がどのくらい正常に働いているかを知るには、血液中を流れるクレアチニンという物質によって判別することができます。

クレアチニンはたんぱく質が筋肉で分解されてできる老廃物です。

腎機能が正常なら、老廃物は糸球体で濾過されて尿と一緒に排泄されますが、腎機能が低下すると、それを排泄できずに血液中に残ります。そのため血液中の値が高くなります。腎機能が正常な場合のクレアチニン値は0.5〜1.0mg/dLです。

糸球体が血液を濾過して老廃物を排出する働きを示す「GFR(糸球体濾過量)」という値からも、腎臓の働きをより詳しく知ることができます。

GFRは血清クレアチニン(血液中に蓄積されたクレアチニン)値と年齢、性別から推算することができ、「推算GFR(eGFR)」といいます。

ホルモンを作る

腎臓でホルモンが作られる場合、

  1. エリスロポエチンという造血ホルモンを分泌して、骨髄での赤血球の産生(1日2000億個)を促す
  2. ビタミンDを活性化させて、腸管のカルシウムの吸収を整える
  3. レニンなどの血圧を上げるホルモンやプロスタグランジンなど血圧を下げるホルモンを産生する

という3つの働きがあります。

次回は「CKDのリスクファクターと進行と経過」について解説します。

(『ナース専科マガジン』2010年2月号から転載)

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