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【連載】基礎からまなぶ血液ガス

第1回 生体のメカニズムと血液ガス―呼吸

解説 飯野 靖彦(いいの やすひこ)

日本医科大学名誉教授

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血液の中に含まれているガスには、酸素や二酸化炭素などがあります。
こうした血液ガスを分析することでいったい何がわかるのでしょうか。
まずは、体のしくみと血液ガスについて見ていきましょう。


生化学反応をまずは理解しよう

人間の体はおよそ60兆個もの細胞から構成されていて、その細胞は活動に必要なエネルギーを酸化作用によって得ています。

ヒトは酸素がないと生きていけないのは、この生化学反応に必要だからです。

酸素は呼吸によって肺胞に取り込まれ、肺の毛細血管内血液へと拡散していきます。

そこでヘモグロビンと結合し、酸化ヘモグロビンとして全身の各細胞に運ばれます。

細胞では血液中から酸素だけが取り込まれて、エネルギーの産生に使われます。

こうした細胞代謝や食事によって、体内では「酸」が産生されるのですが、大別すると揮発性酸(炭酸)と不揮発性酸(炭酸以外の酸)に分けることができます。

揮発性酸の大部分は炭水化物や脂肪の燃焼でできる二酸化炭素で、肺から呼気によって排泄(ガス交換)されます。

一方、不揮発性酸は蛋白質の代謝でできるリン酸や硫酸などで、腎臓から排泄されています。

この2つの排泄経路は、体内のpHを一定に保つ酸塩基平衡の調節に深く関係しており、腎臓と肺はその調節器官というわけです。

酸の産生と排出説明図

酸の産生と排出

続いては、「ガス交換と酸塩基平衡を評価すること」について解説します。

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