【連載】アメリカの医療・看護レポート

第8回 アメリカの看護師『日本よりかなりシビアな継続教育』のはなし

執筆 佐藤まりこ

米国RN(Registered Nurse)

みなさんは、海外の看護師事情を覗いてみたいと思ったことはありませんか? 日本と海外の看護の違いに興味がある、海外で活躍する看護師をめざしたいという人は少なくないようです。そこで、自身の経験と調査をもとに、アメリカの医療や看護師に関するトピックをお伝えします!


アメリカの看護師免許は更新制

今回は、継続教育についてのおはなしです。

看護師=永久免許の日本では、看護師免許の更新という言葉は馴染みがありません。しかし、アメリカでは看護師免許をはじめ、看護師に必要な資格(例えば、BLS、ACLSなど)のほとんどが、2年ごとの更新制です。

今回は、アメリカが実施する具体的な継続教育について紹介します。

更新制がもたらすものとは

看護師免許は国家からではなく州から発行されます。そのため、州によって免許更新の規定がそれぞれ異なります。

 

今回は、カリフォルニア州の更新条件をまとめました。

  1. 更新は2年ごと
  2. 30単位の継続教育を受け、更新時に看護審議会に提出すること
  3. 更新料は140ドル(2014年3月現在)

継続教育の一環として、病院内にも評価テストが存在します。各病棟には、看護基準という疾患・症状に応じた処置、薬、看護のガイドラインがあり、それに沿って毎年、看護師評価テストが施行されます。このテストに合格しないと、ERやICUといった高度医療が提供される職場をはずされる、または解雇というケースもあるらしく、みな必死で勉強すると聞きました。

アメリカは、労働者は契約以外の仕事は一切しない一方で、雇用主には仕事ができないと即刻解雇できる「解雇自由の原則」がありますから、けっこうシビアなのかもしれません。

日本でも、2012年に日本看護協会から「継続教育の基準ver.2」が公表されました。看護師は免許取得後も臨床研修その他の研修を受け、資質の向上を図ること、そのための組織支援のガイドラインが書かれています。もちろん、多くの看護師が自発的に継続教育に取り組んでいます。しかし、自発的というのが問題で、個々の知識にかなりの差が生じるのは否めません。

アメリカは継続教育を個人の努力に任せるのではなく、州の法律として義務付けることで、全ての看護師の知識の向上と専門性の追求を可能としているのがポイントといえるでしょう。

日進月歩進化し、従来のガイドラインが次々と改訂されている医療の現場で、継続教育の義務化は必要になってくるのかもしれませんね。

次回は、「就職事情」のおはなしです。

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