【連載】アメリカの医療・看護レポート

第10回 アメリカの病院『はっきり分かれた役割分担』のはなし

執筆 佐藤まりこ

米国RN(Registered Nurse)

海外の医療に興味があっても、実際に海外を訪れ、医療現場に触れることは容易ではありません。そこで、カリフォルニア州サンディエゴ市最大のERを持つSan Diego Kaiser Permanente病院(ベッド数392床、ERベッド数100床、年間のER患者数約98,000人、手術件数25,000件という大規模病院)での自身の経験と調査をもとに、アメリカにおける最新の病院事情をまとめました。


アメリカでは医療でも分業があたりまえ

今回は、役割分担のおはなし(1)です。

医療に関わらずアメリカは役割分担が徹底しています。例えば、レストランでもキッチンとホールだけの日本とは違い、客をテーブルまで案内する人、注文をとる人、料理を運ぶ人、片づける人とそれぞれ役割が決まっています。

今回は、日本では看護師の一般業務とみなされている仕事に注目し、アメリカの役割分担がいかに進んでいるかをおはなしします。

なんでもかんでも看護師の仕事じゃない! こんなにある専門職種

日本では、看護師が一般的に行う業務でも、アメリカでは24時間体制で専門のスタッフが対応しています。

こちらに、役割と専門職種をまとめました。

 

  1. 採血:Phlebotomist(採血専門の職種)
  2. 呼吸管理:呼吸管理療法士
  3. 患者の搬送:搬送スタッフ
  4. 体位交換:Turn Team(ターンチーム)
  5. 不穏患者など転落リスクの高い患者の対応:シッター

そのほかにも、PCA(看護助手)が患者さんの身の回りのお世話やバイタルサインの測定を担当したり、退院後のベッド清掃やリネンの交換担当がいたりなど、病院にはさまざまな専門職種が存在します。

このシステムが日本に浸透すれば、看護師の過酷な労働環境もだいぶ軽減できそうですね。

次回は、「役割分担のおはなし(2)」です。

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