【連載】これだけできれば大丈夫! 病棟で必要な人工呼吸ケア

【人工呼吸器】臨床でよく見る2つのアラームの原因と対応

解説 和田 希

湘南鎌倉総合病院  慢性呼吸器疾患看護認定看護師

アラームは患者さんや器械の異常を知らせてくれます。適切に対応しなくてはなりません。
今回は臨床でよく見る2つのアラーム「高圧アラーム」「呼吸回数上限アラーム」について、原因と対応を解説します。


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人工呼吸器のアラームの原因と対応


用語解説

●バッキング・・・何らかの原因で咳嗽反射が起こり、人工呼吸器と自発呼吸のリズムが合わなくなった状態

●ファイティング・・・自発呼吸リズムと人工呼吸器の換気パターンが同調していない状態をいう。

●肺コンプライアンス・・・肺のやわらかさ、ふくらみやすさのこと

●PS(プレッシャーサポート)・・・人工呼吸器の補助機能。自発呼吸の時間内に設定した圧で吸気を補助する。自発呼吸があっても、換気量が不足しているときに付加される。

1 高圧アラーム

 気道内圧が設定した範囲を超えた場合に発生するアラーム。気道内圧が上昇すると、肺の圧外傷などを引き起こす危険性があるため、早急に対応します。

原因と対応

原因1 痰の貯留

 痰などの気道内分泌物の貯留によって気道内圧が上昇します。この場合は聴診して、痰の吸引をします。

原因2 人工呼吸器と同期していない

 バッキングやファイティングで、人工呼吸器と自発呼吸が同期していないときに、気道内圧が上昇します。ファイティングが原因の場合には設定変更を検討します。

原因3 肺コンプライアンスの低下

 量規定で換気を行っている場合、患者さんの肺コンプライアンスが低下すると、気道内圧が上昇することがあります。一回換気量を減らすか、肺を保護するために圧規定の換気方法に変更するなどの対応を検討します。

原因4 器械側の原因

 人工鼻の目詰まりや回路の屈曲・閉塞が原因になることがあります。

2 呼吸回数上限アラーム

 自発呼吸回数が設定した値を超えると発生するアラーム。患者さんが頻呼吸になっている恐れがあります。

原因と対応

原因1 PSの圧

 SIMVCPAPなどのモードでPSを付加している場合は、PSの圧が低いと頻呼吸になることがあります。

原因2 呼吸状態の悪化

 患者さんの状態が悪化すると、頻呼吸になることがあります。鎮静を深めにかけるなど、患者さんの呼吸仕事量を軽減するようにします。

原因3 回路内の水の貯留

 回路内に貯留した水がゆれることによって、自発呼吸だと判断し、必要のない換気を行ってしまうことがあります。回路内に水がたまらないように、ウォータートラップや排水の管理に注意する必要があります。

(『ナース専科マガジン2014年6月号』より改変利用)

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