1. トップ
  2. 看護記事
  3. 注目ピックアップ
  4. 第7回 「手足症候群」をマスターしよう(その3)

【連載】やさしく学ぶ 大腸がん経口抗がん剤の副作用マネジメント

第7回 「手足症候群」をマスターしよう(その3)

  • 公開日: 2014/6/11
  • # 注目ピックアップ
  • # がんの副作用ケア

第5~6回では、手足症候群の症状やセルフケアの指導法について紹介してきました。手足症候群は症状が発現したとしても、適切に対処することによって、スチバーガ®の治療を継続することができます。第7回では、手足症候群が生じたときに医療者が行う対処法についてご紹介します。


手足症候群のグレードに応じて対症療法を行い、場合によってはスチバーガ®の減量、休薬または投与中止を考慮します

手足症候群があらわれた場合にはその重症度(グレード)を評価し、グレードに応じて対症療法を行うとともに、スチバーガ®の減量、休薬、または投与中止を検討します。手足症候群の程度は、表1のようにグレード1~3で定義されています。

手足症候群のグレード(CTCAE Ver.4.0より抜粋)

表1 手足症候群のグレード(CTCAE Ver.4.0より抜粋)

手足症候群に対して早期から適切な対処を行うためには、患者さんによる自己申告が大切になります。そのため、グレードに応じた連絡方法を投薬開始までにお知らせしておきましょう。また、減量や休薬の判断は患者さんの自己判断では困難なので、医師の診察が必要であることを伝える必要もあります。

症状が発現した場合の連絡方法【グレード別】

  1. グレード1・・・次回の診察時に医師に知らせてください。 (次回の診察時までに患者さんが行う必要がある対症療法についても指導しておく)
  2. グレード2・・・スチバーガ®の減量が必要になるため、速やかに医師に連絡してください。
  3. グレード3・・・スチバーガ®の休薬が必要になるため、速やかに医師に連絡してください。

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

炎症性腸疾患(IBD)患者さんのセルフマネジメント~IBD患者さんを対象とした研究を読み解く~【PR】

 炎症性腸疾患(IBD)は、潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病(CD)などの腸に慢性の炎症が起こる難病で、日本では約30万人が罹患していると言われています1)。慢性疾患において、セルフマネジメントは治療の重要な構成要素と言われているものの、IBDにおける日本での実態

2024/3/4

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
4位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
5位

SIRS(全身性炎症反応症候群)とは?基準は?

*この記事は2016年7月4日に更新しました。 SIRS(全身性炎症反応症候群)について解説します。 SIRS(全身性炎症反応症候群)とは? SIRS(全身性炎症反応...

250839
6位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
7位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
8位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
9位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949
10位

Aライン確保の目的、手順、手技・観察のポイント

【関連記事】 * 輸液ライン(点滴ライン)作り方 9ステップ * 点滴と同じ腕(末梢から)の採血はOK? NG? * 【血圧異常】異常に高い血圧への対応 7ステップ Aライン...

249090