【連載】アメリカの医療・看護レポート

第13回 アメリカの病院『お国柄あふれる病室』のはなし

執筆 佐藤まりこ

米国RN(Registered Nurse)

海外の医療に興味があっても、実際に海外を訪れ、医療現場に触れることは容易ではありません。そこで、カリフォルニア州サンディエゴ市最大のERを持つSan Diego Kaiser Permanente病院(ベッド数392床、ERベッド数100床、年間のER患者数約98,000人、手術件数25,000件という大規模病院)での自身の経験と調査をもとに、アメリカにおける最新の病院事情をまとめました。


これからの病室は完全個室へ

今回は、病室のおはなしです。

アメリカだけでなくヨーロッパでも、病室の完全個室に向けた動きが進んでいます。院内感染の減少、プライバシーの保護、緊急時の治療や睡眠の質の向上などが理由に挙げられます。

実習病院では、ER、ICUが完全個室、一般病棟は個室と2人部屋でした。

ICUだからこそ、家族に優しい病室づくり

まずは、文化の違いを感じる病室内の物品をご紹介します。

 

  1. クイーンサイズの患者ベッド
  2. 多言語を含む52チャンネルのTV
  3. ユニットバスルーム(面会者用)
  4. 面会者用リクライニングチェアーまたはソファーベッド

日本の患者ベッドはシングルサイズが一般的ではないでしょうか? クイーンサイズなんて広々して快適と思うかもしれません。しかし、アメリカでは20歳以上の68.5%が太りすぎ・肥満です。クイーンサイズに収まらない場合は、特大サイズのベッドが用意されます。

ICUは完全個室のため、家族の希望があれば病室に宿泊も可能です。そのために、面会者用のイスは、リクライニングチェアーまたはソファーベッドになっています。看護師は「今日は、泊まっていかれますか?」と躊躇なく家族に尋ね、その希望に快く応じていました。毛布を配り、寝心地のいいイスを用意、家族の分の飲み物やサンドイッチも準備していました。

ICUだからこそ、面会を制限するのではなく、家族の面会や宿泊に寛大な病院のシステムにとても感銘を受けました。

次回は、「薬品管理」のおはなしです。

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