【連載】フィジカルアセスメントのワザを極める

呼吸器系のアセスメント(触診編)|触覚振盪音など

解説 高島尚美

慈恵会医科大学医学部看護学科 大学院医学研究科看護学専攻 教授

触診は、視診で得た所見を裏づけるために行います。
触診で重要となるアセスメントを3つ紹介します。


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1 触覚振盪音

 患者さんが発する共鳴音によって、胸郭内部の振動を触知し、左右差、音の増強・減弱から呼吸状態をアセスメントします。通常、振動は左右対称で、胸骨角から第2肋間で最も強く感じます。また、胸下部ではあまり感じられません。

異常1 触覚振盪音が減弱している場合

 気管支閉塞、胸膜の肥厚、浸出液、気胸、肺気腫などが疑われます。

異常2 触覚振盪音が増強している場合

 肺組織の収縮・硬化による肺炎が疑われます。

触覚振盪音を触知する方法
 触覚振盪音を触知する方法
 手(尺骨側)を脊椎を挟むようにあて、患者さんに低音で「ひーとつ」か「ナイン・ナイン」と発声してもらいます。

2 皮膚・皮下の状態

 触診によって、「皮下気腫」を確実に発見できます。指先で押すと泡をつぶすような感覚があり、さらに、毛髪をねじるような捻髪音を発します。その他、皮膚の膨隆や圧痛の有無を確認しましょう。

3 胸部呼吸運動

 左右の親指を患者さんの肋骨弓にあて、深呼吸時の肋骨角と胸郭の広がり方を触診します。広がり方に左右差がある場合、片肺の気胸、胸膜炎、肺炎を疑います。
※ 肋骨角・・・肋骨弓と剣状突起との間に生じる角

(『ナース専科マガジン2013年6月号』より改変利用)

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