お気に入りに登録

【連載】宇田川 廣美の「ちょっと社会を見渡してみました」

敵は誤認情報! 正しく伝えて治療中断を減らそう

執筆 宇田川 廣美

フリーライター 

誤認報道で健診会場も外来も混乱?

「測りなおす必要はない! 新しい基準を知らないのかっ!!」

健診会場に大きな声が響き渡りました。ここでは血圧測定に際して、境界域である収縮期血圧130mmhg以上、拡張期血圧85mmHg以上の人は再測定することになっています。担当ナースが、1回目の測定値が143/90mmHgを示したその受診者に再測定をしようとしたところ、激しく拒否されたのです。

テレビでは、あるタレントが「高血圧でずっと薬を飲んでいたけど、新しい基準じゃ高血圧じゃなかったみたいなんですよ。薬代、返してほしいですわぁ」と話していました。「同じような意見を冗談交じりに外来ナースに言う患者さんもいる」と、ある外来ナースも話していました。

こうした混乱の発端は、4月に日本人間ドック学会の「新たな健診の基本検査の基準範囲」に関する発表を受けたマスコミの情報によるものでした。

発表では、「異常なし」とする血圧・肝機能・総コレステロール・LDLコレステロールなどの基準が、現行の判断値よりもかなり緩和されていました(表)。冒頭に挙げた血圧の再測定を拒否した人も、この情報を得ていたのでしょう。

日本人間ドック学会が発表した新基準案

表 日本人間ドック学会が発表した新基準案

>> 続きを読む
ページトップへ