【連載】宇田川 廣美の「ちょっと社会を見渡してみました」

消費税アップ! ナースはどう受け止める?

執筆 宇田川 廣美

フリーライター 

社会にあふれている様々な情報を、ググッ!とナースの暮らしに近づけてみましょう。

第1回は、「ナースは、消費税アップをどのように受け止めたらいいか?」について考えてみました。


増税直前の駆け込み消費はムダを生む?

インスタントコーヒーや素麺などを大きなカートにたくさん積んで、デパートのバーゲン会場で買い物をしている女性をテレビで観ました。

「もう3万円以上、お買い物をしています。増税分を浮かせられたらと思いまして。ホホホ」

<そんなに焦る必要があるのだろうか?この騒動の陰でどれだけのムダが生まれるのだろう?>と、賞味期限・消費期限を考えていなさそうな買い物ぶりを見て、複雑な心境になりました。

消費税増税は、働く現場にも影響を与えています。

「朝早くから夜遅くまで仕事だよ。これじゃ疲れがとれないよ」と、増税直前の建築ラッシュで仕事に追われる職人さんは疲れた顔で言います。この時期、過労から起こる事故やけが、体調不良が増えているそうです。

そこから端を発する医療費は、ほんとうなら生じなくてすむはずの“社会的ムダ”といえるのではないでしょうか。

看護の工夫でナースの役割をアピール!

2014年度の診療報酬改定で実質1.26%のマイナス改定となった医療界は、限られた収入の枠内でこの増税分をいかに補填するか頭を抱えています。

健康診断業務を行っているあるクリニックでは、採血後に貼付するテープを止血用パッド付きのものから、薄い安価なものに替えたそうです。そのため、ナースたちは「採血部位は揉まない、5分間は親指でしっかり押さえておく、1時間は採血した側の腕で重たいものを持たないように」といったことを、これまでよりも念入りに一人ひとりの受診者に伝え、健診会場における健診項目の順番やナースの配置を工夫しながら、採血後のトラブルを防いでいるそうです。

人件費を含めて経費節減の動きは今後さらに強まり、働くナースにもさまざまな形でのしかかってくることが考えられます。しかし、見方を変えれば、それは前述の健診のように看護の工夫の見せ所となるでしょう。

同時に、ナースの工夫だけでは対応しきれずに患者さんの安全を脅かすおそれがあるようなものならば、毅然と職場と交渉する姿勢をもちたいものです。

チーム医療の名のもと、薬剤師や臨床検査技師もその活動範囲を拡大していますし、今回の消費税増税や診療報酬のマイナス改定を機に、看護の役割をより具体的に示しながらナースの存在をアピールする機会かもしれません。

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