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【多職種連携】連携するからこそ、危険が生まれることもある

執筆 一般社団法人知識環境研究会

多職種連携危険予知管理者資格認定協議会

Figure talking

「チーム医療」や「多職種連携」といったキーワードを耳にする機会が増え、看護師は看護の知識・技術だけではなく、多様な専門職どうしをつなぎ、チームをまとめ、マネジメント能力を発揮することも求められるようになってきました。

本記事では、多職種連携を行ううえで注意したいことを紹介します。


コミュニケーションギャップに注意!

異なる背景を持つ人々が連携する上で問題となるのは、コミュニケーションギャップです。筆者らが行った実験によると、医療職と介護職では、同じ場面に遭遇して、同じポイントを見たとしても、それに対する「行動」や「行動の根拠」が異なることがわかりました。

実験内容は、病院や介護施設内で実際に起こり得るアクシデントの事例を再現した動画を流し、そこからどのような「事実」を読み取ったのか、どう「行動」するのか、その「根拠」は何か、ということを記述してもらうというものです。

実験結果の一例

介護施設で、利用者が懇談している最中に突然嘔吐した場面

最初にとる行動として、看護職は「観察」を、介護職は「吐物処理」を挙げる傾向がありました。

患者の状態や周囲の状況をまず「観察」することは、看護職にとっては当然かもしれません。しかし、介護職の多くは最初に「吐物」に着目しています。

また、看護職が「感染予防のため」という根拠を意識して吐物処理をしているのに対し、介護職は反射的に処理しているという違いも見られました。

このような職種による考え方の違いは、普段の業務の中ではそれほど意識されることはないでしょう。

コミュニケーションギャップのイメージ

コミュニケーションギャップのイメージ

ところが、専門職間のコミュニケーションギャップは、思わぬ危険を生みます。「相手は当然こう考えるはず」「こうしてくれると思っていたのに」という思いこみが、行き違いや事故につながるのです。

連携するからこそ、危険が生まれることもある

多職種連携のチームで対応すれば、よい結果が生まれる、連携するからメリットがある。そう期待する人は多いでしょう。事実、連携することによって、相乗効果を生み、一人ひとりの力が単純な足し算以上の力にもなりえます。

しかし、連携するからこそ、危険が生まれるという側面もあるのです。専門職として、それぞれが各自の専門性に基づいて最善を尽くしても、「連携」の場面では危険が生じることがあります。まず、このことを認識しなければなりません。

友人同士であれば話が合う者同士で固まることもできますが、医療の現場ではそうはいきません。背景知識が異なる人とチームを組み、責任を伴うコミュニケーションをしなければならないのです。

危険を回避し、チームの力を最大化するために、看護リーダーには多職種連携を管理するスキルが求められているといえるでしょう。

参考文献

  1. 神山資将、佐々木由惠(2014)「医療介護連携危険予知トレーニングにおける知識共創」『知識共創』第4号、第4回知識共創フォーラム、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
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