褥瘡の発生要因・メカニズムをおさらいしよう!

解説 渡辺光子

日本医科大学千葉北総病院 看護師長 皮膚・排泄ケア認定看護師

褥瘡ケアに欠かせない知識、「褥瘡ができるメカニズム」「褥瘡の発生要因」「褥瘡の好発部位」を解説します。

褥瘡のまとめ記事
* 褥瘡とは?褥瘡の看護ケア|原因と分類、評価・予防・治療など


褥瘡ができるメカニズム

 褥瘡ができるメカニズムには、

 1. 静的外力
 2. 動的外力

 の2つが関わっています。

静的外力による褥瘡発生のメカニズム

 体重によって、皮膚と軟部組織に圧力が加わり、

 1. 圧縮応力
 2. 圧迫性せん断応力
 3. 引っ張り応力

 の3つの力が複合して、皮膚血流に障害を与え、褥瘡を発生させます。

静的外力のメカニズム
(図 静的外力のメカニズム)

動的外力による褥瘡発生のメカニズム

 摩擦とずれによる力が、長時間同じ部位に加わることで、褥瘡が発生します。

 摩擦とずれは、主に背上げ時・おむつ交換時・リハビリ時に生じます。

褥瘡の発生要因

 褥瘡発生には

 1. 外力(体位変換や寝具)
 2. 栄養状態(病的骨突出や浮腫)
 3. 湿潤(多汗や失禁)
 4. 自立(ADL低下や関節拘縮)

 の4つの要素が大きく関与しています。

こんな患者さんには要注意!

 以下の病態・身体状態は褥瘡発生のハイリスク要因です。

病態

1. 脊髄損傷
 損傷部位より下は感覚がなくなり、褥瘡ができやすくなります。
2. 重症度が高い人
 血圧低下や循環動態が不安定な場合は注意が必要です。
3. 末梢動脈疾患(PDA)
 わずかな圧迫でも虚血となるので注意が必要です。
4. 急性期・手術期
 鎮静下にある場合、知覚の低下と体動の制限により、褥瘡ができやすくなります。
5. 終末期
 全身状態の悪化と鎮痛剤による知覚の低下に加え、本人が楽な同一体位になりがちです。本人の安楽と褥瘡予防のバランスが難しくなります。

身体状態

 1. るい痩の強い人
 2. 栄養状態が低下している人
 3. 拘縮のある人

褥瘡の好発部位

 最も褥瘡ができやすいのは、骨の突出部です。体位によって、体重がかかりやすい部位が異なります。

仰臥位での褥瘡の好発部位

 仰臥位では、多くは仙骨部、踵骨部に発生します。後頭部も好発部位ですが、髪の毛に隠れてわかりづらいので、要注意です。

仰臥位での褥瘡の好発部位
(図 仰臥位での褥瘡の好発部位)

側臥位での褥瘡の好発部位

 側臥位では大転子部に発生することが多く、かなり痩せているひとの場合は、肩、耳、肘にも発生することがあります。

側臥位での褥瘡の好発部位
(図 側臥位での褥瘡の好発部位)

座位での褥瘡の好発部位

 座位では坐骨結合部、尾骨部によくみられます。

座位での褥瘡の好発部位
(図 座位での褥瘡の好発部位)

(『ナース専科マガジン』2014年7月号から改変利用)

参考文献

日本褥瘡学会学術教育委員会:褥瘡発生要因の抽出とその評価、日本褥瘡学会誌、Vol5、No1-2、p139、2003.

ページトップへ