【連載】検査値Q/A

クレアチニン(Cr)で何がわかるの?

取材 前野哲博

筑波大学附属病院 総合診療科 教授

症状の鑑別に必要な検査値について、よくあるギモンに答えます。


Q クレアチニンで何がわかるの?

A 糸球体障害がわかります

この検査値を攻略イラスト

腎疾患で糸球体が障害されると血清Cr値が上昇

Crは腎機能を評価する上で重要な糸球体濾過量(GFR)に依存する数値です。

Crの基準値は一般に成人に比べて小児で低く、成人では女性よりも男性のほうが高値を示します。また、痩せや肥満の人よりも筋肉質の人のほうが高値を示します。これはCrの産生量が年齢や筋肉総量に相関するためです。

Crは肝臓や腎臓で合成されるアミノ酸の一種クレアチンの代謝産物で、筋肉のエネルギー代謝によってつくられます。その大部分は筋肉中に蓄えられ、最終代謝産物(老廃物)として腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排出されます。

もし腎疾患で糸球体が障害されると、尿中に排出する量が減少し、Crは血中にうっ滞して血清Cr値が上昇していきます。

GFRの低下を知る指標「Ccr」

腎臓には代償機能があるので、GFRが50%以下にならないと血清Crはあまり上昇しません。

そこで、初期の腎障害でもGFRの低下を知る指標として用いられるのがクレアチニンクリアランス(Ccr)です。これは、尿中と血清のCrや尿量、体表面積などから、糸球体が1分間にCrを含む老廃物を何ml濾過するかを調べる方法です。

Ccr計算方法

なお、Ccrを求めるには正確な蓄尿や尿量測定が必要です。日常の診療では困難な場合が少なくないため、近年では新たな方法としてCrと年齢、性別の3要素を考慮した推算糸球体濾過量(eGFR)で腎機能の異常をスクリーニングしています。

近年の計算方法

(『ナース専科マガジン』2013年8月号から改変利用)

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