糖尿病の人は必ず尿糖が出ている?
- 公開日: 2016/2/13
- 更新日: 2021/1/6
症状の鑑別に必要な検査値について、よくあるギモンに答えます。
Q 糖尿病の人は必ず尿糖が出ている?
A 必ず出ているとはいえません
尿糖は、血糖値がおおむね170mg/dl以上になると尿に溢出します。
尿糖が陽性であれば、その時点でそれ以上の高血糖であることが示唆されますが、腎性糖尿がある場合などでは、血糖値が170mg/dl以下でも陽性を示すことがあります。
尿糖の検査は、糖尿病のスクリーニングとしては優れていますが、170を超えないと陽性になりませんし、直前の食事の影響を受けるので、糖尿病の直接の診断には用いません。
従って、糖尿病の人は必ず尿糖が出るとはいえず、逆に尿糖が出ないから糖尿病ではないともいえないのです。
ただし、早朝空腹時の血糖値が正常でも、朝、尿糖が出ていれば、「昨夜寝てから朝起きるまでに、血糖値が170mg/dlを超えていた時間がある」または「食後の血糖値はきっと170mg/dlを超えていたであろう」と考えることができます。
血糖値はその瞬間しかわかりませんが、食後血糖のみが高く、空腹時血糖が正常な場合など、スポットの数字が分かれる場合は、尿糖をみることで血糖値が高値を示していた時間帯があったかどうかを推測することができます。
血糖コントロールの把握には、以下の数値が参考になります。
- 尿糖
- 血糖値
- HbA1c
- 尿/血中ケトン体
- 尿中/血中Cペプチド(CPR)
(『ナース専科マガジン』2013年8月号から改変利用)