【連載】知っておきたい! がんのリハビリテーション

第6回 予防から回復までのリハビリテーションの流れ

解説 岡田 教子

国立がん研究センター東病院 看護部 摂食・嚥下障害看護認定看護師

解説 栗原 美穂

国立がん研究センター東病院 看護部 がん性疼痛看護認定看護師

解説 源 典子

国立がん研究センター東病院 外来 乳がん看護認定看護師

編集 ナース専科編集部

月刊「ナース専科」編集部

がんのリハビリテーションでは何を行い、看護師はどのようにかかわることができるのでしょう。看護師に求められる役割、国立がん研究センター東病院の皆さんに話を聞きました。


各段階のリハビリの特徴

がんのリハビリは、病期と治療によって4段階の流れがあり、目的も異なってきます。

1段階 予防的リハビリテーション

1段階 予防的リハビリテーション

2段階 回復的リハビリテーション

2段階 回復的リハビリテーション

3段階 維持的リハビリテーション

3段階 維持的リハビリテーション

4段階 緩和的リハビリテーション

4段階 緩和的リハビリテーション

ここでは、自立してがんと共生している患者さんへのリハビリを中心に考えます。

予防的リハビリ

治療による機能障害の予防が目的で、治療内容によって訓練が異なります。

外科手術の場合

多くは全身麻酔による呼吸機能の低下が予測されるため、術前から呼吸訓練を行い、術後の呼吸器合併症を予防します。術後には早期離床を進め、術前に行った排痰法などを実践します。

放射線療法・化学療法の場合

治療中からのリハビリが主となります。

がんの悪液質による蛋白異化や治療に伴う安静臥床による廃用で、筋力が低下するなど活動性の低下が生じることから、

  1. 関節可動域訓練
  2. 筋力増強訓練
  3. 立位・歩行訓練

を適宜行います。

特に脊椎転移や骨折予防の放射線治療では一時的に安静が必要ですが、その間の廃用を予防するため、健側の運動や床上での筋力維持が大切です。

また、化学療法を受ける患者さんには、副作用や具合によって軽い運動をするなどの体力維持が役立ちます。

治療前に起こり得る副作用や廃用による機能低下について前もって理解してもらい、活動性が低下しないように指導することも予防的リハビリの一環となります。

回復的リハビリ

治療による機能障害や能力低下に対して機能回復を図ることが最大の目的です。

例えば、

  1. 頭頸部がんでは、嚥下障害や構音障害に対して、嚥下訓練や構音訓練、食道発声法や電子喉頭のリハビリ
  2. 肺がんでの呼吸機能障害に対しては呼吸リハビリ
  3. 大腸がんに対する消化機能障害や肛門の喪失に対しては、摂食方法の指導やストーマリハビリ

を行います。

次ページは「周術期を中心とした具体的な事例」について解説します。

ページトップへ