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【連載】代表的な電解質異常を学ぼう!

低カルシウム血症・高カルシウム血症|原因・症状・治療のポイント

解説 内田 俊也

帝京大学医学部内科学講座 教授

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【目次】

※「ポイント2 腸吸収と腎排泄でCa濃度は調節される」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。


カルシウムの調整機序 3つのポイント

血清Caの正常範囲

ポイント1 Caイオン上昇が細胞の機能を調整

体内におよそ1kgあるCaは、99%以上が骨や歯に貯蔵され、1%弱が心筋・骨格筋、細胞外液などに存在しています。

このCaの役割には、

  1. 骨や歯の構造と機能を支える
  2. 細胞膜を安定させて細胞膜でのNaの透過性を低下させる
  3. シナプスからの神経伝達物質の放出に関与
  4. 心筋・骨格筋収縮の促進
  5. 血液凝固の活性化

などがあります。

細胞外のCaについては、正常な血清Ca濃度は10mg/dl前後です。血清Ca値は、mg/dlとmEq/lの2通りの表現がありますが、数値はmg/dlがmEq/lの2倍に相当します(8.5~10.5mg/dl→4.2~5.2mEq/l)。

一方、細胞内のCa濃度は0.001mg/dl(100nmol/dl)と、細胞外濃度よりかなり低くなっています。細胞膜を介して生じているこの濃度勾配によって、細胞内のCaイオンの濃度の一過性の上昇がシグナルとなり、細胞のさまざまな機能の調節が行われます。

Caイオン自体は細胞毒であるため、細胞内での濃度上昇が持続すると細胞機能が低下して細胞が壊死してしまいます。そのため、細胞内のCaイオン濃度は、極めて低く、かつ狭い範囲で厳密にコントロールされています。

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