【連載】輸液製剤がわかる! なぜ、その輸液製剤が使われるのか?

ハイリスク薬と配合変化にどう対応する?

協力 三浦まき

昭和大学病院救命救急センター 救急看護認定看護師

輸液管理にはさまざまな確認事項があります。ここでは、輸液を行う看護師が確実に押さえておきたい内容をまとめて解説します。


特に注意が必要な輸液製剤を知っておく

注意が必要な薬剤には「ハイリスク薬」というものがあります。その定義は医療施設により異なりますが、安全に使用するための業務手順書が施設ごとに作成されています。

ベースになっているのは、厚生労働科学研究「『医薬品の安全使用のための業務手順書』作成マニュアル(平成19年3月)」において「ハイリスク薬」とされている薬剤で、併用禁忌や重篤な副作用に注意を要するもの、呼吸抑制や心停止等に注意が必要なもの、投与量に注意が必要なもの(Unitで設定された注射薬など)、漏出により皮膚障害を起こすものなどが挙げられています。

投与時に特に注意が必要と考えられる治療領域の薬剤

投与時に特に注意が必要と考えられる治療領域の薬剤

当院ではこれら注意すべき薬剤を「ハイアラート薬」と呼び、商品名と成分名を明記して、投与時の注意を喚起しています。

ハイアラート薬を投与した際は、

必要時5分後、10分後にバイタルサインを測定し、患者さんの訴えや身体所見(感覚の麻痺、皮膚の発赤、痛み、熱感、腫れ、呼吸の異常など)を注意深く観察します。

また、抗生物質の初回投与時には、アレルギー反応が起こる可能性があります。ベッドサイドでの十分な観察とともに、これまでの薬剤アレルギー歴や既往歴を問診しておきます。

副作用が出現した場合には、直ちに投与を中止して、状態に適した対応をとることが必要です。

配合変化と配合禁忌にどう対応する?

持続点滴中に側管から治療薬などを投与する場合は、薬剤混合による配合変化に注意が必要です。配合変化を起こすと結晶化したり、変色や白濁、変質してルートを閉塞させてしまうことがあります。

配合禁忌は、ほとんどが塩基性に関係するものです。輸液製剤の多くは酸性に傾いているので、アルカリ性の薬剤との混合は避けます

代表的なものには、強アルカリ性薬剤であるネオフィリン®やラシックス®などがあり、白濁しやすいので酸性薬剤と投与するときには注意します。

白濁を防ぐには、投与前後にいったんメインを止めて、生食や蒸留水などをフラッシュするという方法があります。ただし、生食や蒸留水でも配合変化を起こす薬剤もあるので確認が必要です。

救急では、ミタゾラムやアレビアチン®なども配合変化がよく起こる薬剤です。ミタゾラムはアミノ酸との結晶化が知られるため、三方活栓はできるだけルートの上流につけて、ルート内での停滞時間を減らす工夫をします。ヘパリンもまた配合変化の多い薬剤の一つです。

また、CaやMgなどを含む薬剤と、リン酸塩や炭酸塩を含む薬剤の混合する場合も、沈殿や混濁、着色といった外観変化を生じるので、それらを側管から投与するときは注意が必要です。

輸液治療は1ルート1薬剤が理想的ですが、1ルートから複数剤の投与が必要な場合もあります。投与の際には添付文書の確認や薬剤師に相談することで、配合変化を防ぎましょう。

ケアのPOINT

注射箋を受け取ったら、以下の項目について確認します。

  1. 配合変化しやすい薬剤か?
  2. 単独投与が推奨されている薬剤か?
  3. 濃度などで影響はないか?
  4. 24時間以上持続投与されていないか?

(『ナース専科マガジン』2013年10月号から改変引用)

次回は「投与量と投与速度」について解説します。

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