【連載】ドレーンの排液のアセスメント

膿胸ドレーン管理(膿胸ドレナージ)のアセスメント

解説 吉田 晃子

獨協医科大学越谷病院 心臓血管外科・呼吸器外科 HCU病棟

膿胸とは?

胸膜の炎症によって胸腔内に膿性胸水が貯留した状態

膿胸ドレナージの目的

  1. 胸腔ドレナージでの排膿と洗浄

アセスメントのポイント 排液をみる

膿胸は、急性膿胸(発症から3カ月以内)と慢性膿胸(3カ月以上遷延したもの)の2つに分類します。

膿胸の原因としては、気管支瘻(まれに肺瘻)、術中汚染、創やドレーン刺入部からの逆行性感染などが挙げられます。

確定診断は、胸腔穿刺で行い、原因菌は、肺炎球菌、レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、嫌気性菌などが多いとされています。予防および治療として、ドレーン刺入部や手術創の清潔管理、抗菌薬投与、胸腔ドレナージを行い、定期的に排液の培養検査を行います。

空気漏れがない場合は、胸腔ドレーンから胸腔内を洗浄することもあります。感染のコントロールがつかない場合や、抗菌薬が無効な場合は、外科的治療を要することもあります。

ドレーン抜去のタイミング

治療によって膿胸が改善され、排液の培養検査で菌が検出されないことを確認でき、排液が漿液性のきれいなものになれば、ドレーンを抜去できます。

続いては、「食事が始まったら乳び液に要注意」「心不全の患者さんにも胸腔ドレナージ」です。

食事が始まったら乳び液に要注意

漿液性になった排液が、食事が開始された途端に白濁することがあります。これはリンパ管に損傷があることで生じる乳び液です。

この乳び液は、もともとはリンパ液で無色透明であるため、手術中には気が付きません。主成分は、摂取された中性脂肪成分(特にカイロミクロン)で、これは小腸から吸収され、腸管リンパ管から胸管を経ていきます。

縦隔リンパ節からのリンパ流もこの胸管へ流入するため、損傷があると胸腔ドレーンから白色の混濁した排液(乳び液)が出てきます。胸腔内に乳び液が貯留した状態を乳び胸といいます。

絶食や脂肪制限食など腸管から吸収される脂肪成分を減量することが、治療の基本方針となります。治癒に伴い、排液の濁りは薄くなり、漿液性になります。

心不全の患者さんにも胸腔ドレナージ

胸腔ドレナージは、呼吸器疾患や胸部手術後以外に対しても行われます。

心不全は、心臓が血液を全身へ十分に送れない状態をいいます。中でも、うっ血性心不全になると、血液がうっ滞してしまうことから、血管から血漿が漏れ出してしまいます。これが胸水となって胸腔内に貯留して呼吸困難に陥ります。

この胸水の排液を目的に、胸腔ドレナージが行われます。この場合、留置は一時的で、排液量が減少すればドレーンを抜去します。

また、肝硬変でも胸腔ドレナージを行います。

肝硬変によりタンパク合成機能が低下すると、低アルブミン血症となり、血管から血漿が漏れ出します。これが胸水となって貯留するため、心不全同様、排液目的で一時的な胸腔ドレナージを行います。

(『ナース専科マガジン』2013年4月号から改変利用)

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