【連載】ドレーンの排液のアセスメント

【脳神経外科系】ドレーン管理のアセスメントのポイント

解説 髙栁 知美

獨協医科大学越谷病院 脳神経外科病棟 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師


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ドレーンとは|ドレーンの種類と管理


ポイント1 頭部の位置をみる

 患者さんが頭や身体を起したり、ベッドの高さを上げたりすると、チャンバーに過剰な陰圧がかかり、オーバードレナージが起こります。

 その結果、出血を助長したり、痛みを生じることがあります。看護師は訪室時にはチャンバーの位置や患者さんの頭の位置、姿勢などをしっかり確認するようにしましょう。

 意識レベルが低下し、身体を自己コントロールできない患者さんの場合には、無意識な体動による危険を避けるため身体拘束を必要とするケースが多くあります。

 家族には必要性を説明し、承諾を得るとともに、お見舞いの方の面会時にはシーツ類で隠したり、看護師が付き添い、一時的に抑制帯をほどくなどの配慮をして、患者さんの状態に接した際に過度の不安を感じさせないようにします。

ポイント2 クランプの外し忘れがないかをみる

 クランプの外し忘れは、発生頻度の高いトラブルの1つです。開放式ドレーンは、エアフィルターのクランプが閉まった状態になるとドレーン内に陰圧がかかり、オーバードレナージを招いてしまいます。

 また、そのほかのクランプを止めた状態になっている場合も、適切なドレナージが行われません。患者さんの体位変換や処置後は、必ずクランプが開放されているかどうかを確実にチェックしましょう。

 クランプを閉じる場合は、患者さんに近い側のクランプから閉め、終了後は患者さんから遠い排液バックのほうから開けていくのが原則です。これは、急激な排液の移動を避け、感染を防止するためです。

ドレナージのチェック項目説明図図 ドレナージのチェック

ポイント3 刺入部から排液の漏れがないかをみる

 刺入部の観察では、排液の漏れ、発赤、腫脹などがないかどうかを確認します。排液の漏れは髄液感染の原因になるので特に注意が必要です。

 排液が挿入部から垂れていたり滲んでいたりするのは視診でわかります。また、ガーゼや頭に敷いた枕が濡れている時は髄液が漏れている恐れがあります。

 毎日、包帯交換の際に必ずチェックしましょう。排液の漏れを確認したら、医師に報告のうえ、消毒します。排液はガーゼに吸わせて、漏れた量をカウントし、総量を観察します。

ポイント4 適切な長さが挿入されているかをみる

 特に、脳室ドレナージでは適切な長さに保たれているかが大事です。ところが、固定されているはずのドレーンが何かの原因で固定が緩んだり、ドレーンが抜けたりするケースがあります。

 訪室時や体位変換時、患者さんが手術や検査から帰室した時などは、適切な長さにドレーンが固定されているか、ドレーンを固定した糸は外れていないかなどを確認しましょう。

 挿入したドレーンの長さがわかるようにドレーンには目盛りが刻まれています。訪室時には、手術時に挿入した長さのドレーンが入っているか毎回目盛を確認し、その患者さんの挿入の長さがずれていないかチェックします。

挿入の長さ確認イラスト図 挿入の長さを確認

ポイント5 せん妄徴候の有無をみる

 患者さんによっては、手術後しばらくは、急に体動が激しくなったり、せん妄を起こす人も少なくありません。こうしたケースでは、ドレーンを自己抜去する危険性があります。

 ただし、せん妄を起こす前には、普段から接している看護師には、その徴候が感じられる場合があります。「会話はできているけれど、今日は話のつじつまが合っていない」「興奮しているような様子で、いつもより視線がするどい」など、いつもとは異なる様子を把握したら、チームで情報を共有し、危険行動に対応できるようにしていきましょう。


(『ナース専科マガジン』2013年4月号から改変利用)

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