【連載】安全・確実に実施する!与薬のポイント

第9回 ナースが知っておきたい添付文書ナナメ読み(その2)

監修 荒井有美

北里大学病院 医療の質・安全推進室 医療安全管理者 看護師・薬剤師

医薬品添付文書は医薬品情報の宝庫です。すべてに目を通すのは大変ですが、ポイントを押さえた添付文書の読み方をマスターすることで、薬を安全に、適正に使用する方法を確認しましょう。


添付文書の記載項目

前回に引き続き、添付文書の中で特に看護師が与薬時に確認しておいたほうがよいと思われる項目をまとめました。図の番号と照らし合わせながら、読み方をマスターし、添付文書の情報を活用してください。今回は、下図の番号の4~7の項目です。

添付文書の記載項目

※続いては、「記載項目の4~5」をそれぞれ解説していきます。

ケアに必要な項目のココを読もう!

4 相互作用(併用禁忌・併用注意)

他剤と併用すると相互作用により、吸収が阻害され薬効が減弱したり、増強して有害事象が出現したりするケースについて記載されています。相互作用によって影響の出る医薬品名、相互作用の機序・危険因子、臨床症状や対処方法も記載されています。

  1. 併用禁忌 相互作用による影響が強く出てくるので、併用してはいけないということを示しています。【併用禁忌】は、注意喚起のために赤枠・黒字で表示され、添付文書の最初にある【警告】の項目にも記載されています。
  2. 併用注意 併用を禁止してはいないものの、やはり相互作用による影響が考えられるため、併用する場合には注意して投与することが求められるケースについて表記されています。

5 適用上の注意

投与経路、剤形、注射速度、投与部位、調剤方法、薬剤交換時に関する注意事項、さらに点滴ルートの選択まで、与薬準備から投与方法まで特に看護師にとって必要な情報が記載されています。

ここには、看護師にとって必要な情報がたくさん書かれています。例えば「アタラックス-P注射液」の場合をみると、「希釈せずに点滴静注の側管から直接注入することは避ける」「筋肉用注射後、強くもまず軽く押さえる程度にとどめる」などといった使用時のポイントが書かれています。

全く初めて使う医薬品の使用を指示された場合で、添付文書のすべての項目を確認する時間がないときでも、せめてこの内容はチェックが必要な部分です。

6 薬物動態

血中濃度推移が記載されています。記載項目は、「吸収」「分布」「代謝」「排泄」「血中濃度(健康成人、小児患者、腎障害患者)」「血中濃度モニタリング」「その他」が基本です。効果判定の目安、効き目の消失時間の目安になります。

薬物の血中濃度の推移を知るためには必要な項目ですが、ここから情報を読み取るのはなかなか難しいものです。その場合はグラフをみてどのような推移をたどるかを頭に入れておけば、投与後の患者さんの症状がどのように変化するかを予測するのに役立ちます。

7 取扱い上の注意

医薬品を扱うときの注意事項や操作方法のほか、貯蔵方法や管理温度が記載された【貯法】の項目に入りきらなかった薬品管理上の必要事項が書かれています。

また、品質を確認するための注意事項、キット製品などの特別な使用方法と注意事項なども記載されています。

医薬品は、適切な方法で保存・保管しないと劣化してしまい、薬効が減弱したり、分解物によって有害な反応を示します。使用前にここを読んで、品質の劣化がないことを確認したうえで使用することが大切です。

外見上は変化がなくとも、劣化していることもあるので確認は重要です。また、患者さんの服薬支援に必要な情報もあります。

(『ナース専科マガジン』2013年12月増刊号「一冊まるごと薬のトリセツ」から改変利用)

次回は「鎮痛剤の基礎知識」について解説します。

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