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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第66回 看護の真髄ここにあり!

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

前回に引き続き、ICU看護師から訪問看護師に転身したスタッフが経験した印象に残るエピソードを紹介します。


「とにかく看護を」利用者さんの思い

訪問看護師に転身して4カ月の前田和哉。在宅での看取りを考えさせられた利用者さんとご家族が印象的だったという。90歳代の母親と暮らす息子さんは、母親の食事量が日に日に減り、徐々に弱っていく様子を受け入れることができなかった。

息子さんは、1日でも長く生きてほしいと延命を願い、訪問看護の介入を要請した。介護ではなく、看護である。「自費でもよいから」と母親への思いの強さがうかがえる。

「延命することが、利用者さんにとって幸せなこととは限りません。老衰による死を迎えようとしているけれど、息子さんは、死を受け入れられない様子でした」

気持ちに寄り添う

母親の状態に一喜一憂する息子さん。離れて暮らす姉二人は、覚悟を決めている様子だったという。

「息子さんのお話をうかがい、気持ちに寄り添うことで、悔いのないようにしてあげたいとも思いました。一方で、利用者さんの苦痛にならない静かな死を迎えられるように息子さんの気持ちを支えることも必要だと考えました」

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