【連載】CKD患者さんのケア

第11回 食事制限で食欲が低下したCKD患者さんへの対応

解説 内田明子

聖隷佐倉市民病院 看護次長

解説 宮崎木の実

聖隷佐倉市民病院 A4病棟 看護係長

CKDの患者さんは原疾患もさまざまであり、ケアをしていくなかでさまざまな問題に直面します。

そこでここでは、事例をもとにどのように対応していけばよいのかを解説します。


食欲が低下した場合、

食べたいものを食べられる工夫を提案しましょう。

CKD患者さんの場合、たんぱく質を多く含む卵類や魚介類、肉類、大豆製品などの副食を控え、炭水化物や脂質、糖質の多い米類やパン、麺類、もち、小麦粉などを使った主食でエネルギーを補います。

つまり「低たんぱく・高エネルギー食」という主食が多く副食が少ないバランスの悪い食事になりがちです。

副食の割合が減少することで、患者さんにストレスを与えて食欲不振になったり、食事制限に神経質になりすぎて食欲が低下する人も多いようです。

こんなときは、献立のバランスの悪さを補いながら、食べたいものを食べられる工夫を提案しましょう。

工夫1

油っこい料理のときは、酢の物を添えるとさっぱりした感じになったり、副食の量が少なくてもボリューム感のある盛り付けをすれば、満足感が得られます。

工夫2

ご飯やパン、うどんなどにもたんぱく質が含まれているので、無たんぱく、低たんぱくに成分調整した食品を利用することで、その分のたんぱく質をおかずに回せることになり、副食の種類が増えます。

工夫3

CKDでの食事療法では、基本的には食べてはいけないものはなく、量が問題になります。

そこで、食欲がなくて体力が低下している患者さんには、まずは「何でも食べていいですよ」と伝え、体力回復を図ります。

その後、検査データをみながらたんぱく質の量や、具体的な食事内容を指導します。場合によっては高エネルギー補助食品を利用して、体力回復を図ることもあります。

低たんぱく・高エネルギー食とは

低たんぱくの必要性とその適正量

たんぱく質は体内で骨や筋肉をつくったり、エネルギー源となり、最終的には二酸化炭素と水、老廃物になって、腎臓で濾過され体外に排出されます。

しかし、CKD患者さんの場合は、老廃物が体外に排出されにくく、血液中に蓄積されます。

また、たんぱく質の取り過ぎは、なかに含まれるリンの過剰摂取にもつながります。

すると電解質のバランスが崩れ、高カリウム血症、高窒素血症、高リン血症、低カルシウム血症、アシドーシスなどの弊害が出てきます。

これらを抑制するためには、食事中のたんぱく質の量を控える必要があります。

CKD患者さんのたんぱく質制限は、標準体重あたり0.6~0.8g/kg/dayの間で行われます。

場合によっては、0.5g/kg/day未満という厳しい制限を行うこともあります(CKD診療ガイドライン2009)。

高エネルギーの必要性

このように、エネルギー源となるたんぱく質を控えると、どうしてもエネルギー不足となりがちです。

そのため、エネルギー不足とならないように高エネルギー食が必要となります。

高エネルギー食とは、エネルギー源となる炭水化物や脂質、糖質を中心とした食事です。

炭水化物や脂質は、体内で消化吸収されエネルギー源となり、最終的には水と二酸化炭素となり排出されるので、腎臓に負担をかけません。

栄養障害を予防しながら、低たんぱく質食療法を適切に行うためには、特定の要件をすべて満たすことが必要となります。

(『ナース専科マガジン』2010年2月号から改変利用)

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