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【連載】基礎からまなぶ血液ガス

第10回 血ガスを分析!【脳卒中による呼吸不全の場合】

解説 南雲秀子

湘南厚木病院 看護師長/米国呼吸療法士(RRT) / 保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

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血液ガス分析で得られた検査結果からは何を読み取れるのでしょうか。病態別の事例をもとに解説します。


事例

頭痛を手足の痺れに続き、意識レベルが下がり救急搬送された50歳代男性

血液ガスデータ

  1. pH:7.13
  2. PaCO2:80.7Torr
  3. PaO2:57.6Torr
  4. HCO3:26.0mEq/L

血液ガスデータを分析してみよう

【PaCO2

上昇(酸化)

脳幹の障害による自発呼吸の低下か、意識レベルの低下による気道閉塞のいずれかによって、肺の呼吸運動が障害されてPaCO2が上昇します。

【PaO2

低下

前記と同様の理由で、呼吸が遅く、または浅くなっているため、十分にO2が吸えず、PaO2は低下しています。

【HCO3

正常

腎臓の代償作用が働くまでには時間が掛かります。呼吸の異常が生じてから短い時間しか経過していないので、腎機能に障害がなければHCO3は正常値を示します。

【pH】

アシドーシス

PaCO2が上がって呼吸性アシドーシスですが、まだHCO3の代償が起こっていないので、pHはそのままアシドーシスです。換気補助(人工呼吸)をすることによってPaCO2が低下して正常に戻ります。また、PaO2低下も低換気が原因なので、換気補助するとPaO2も回復します。

(『ナース専科マガジン』2012年10月号から改変利用)

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