お気に入りに登録

【連載】基礎からまなぶ血液ガス

第11回 血ガスを分析!【COPDの場合】

解説 南雲秀子

湘南厚木病院 看護師長/米国呼吸療法士(RRT) / 保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

Nagumo min

4ba7ae421b8365c053469a5aa768504c111111111

血液ガス分析で得られた検査結果からは何を読み取れるのでしょうか。病態別の事例をもとに解説します。


事例

呼吸苦が強くなり、在宅酸素療法を開始したCOPD患者さん(70歳代 男性)

血液ガスデータ

  1. pH 7.38
  2. PaO2 59.1Torr
  3. PaCO2 70.2Torr
  4. HCO340.3mEq/L
  5. SaO2 90%

血液ガスデータを分析してみよう

【PaCO2

上昇(酸化)

新しく吸気しても肺胞の空気が入れ替わらないため、肺の中にCO2が溜まってしまい、血中のPaCO2も高くなります。これを呼吸性アシドーシスと言います。酸素吸入してもPaCO2の値は変化しません。

【PaO2

低下

肺胞への空気の出し入れの効率が悪いため、PaO2は低くなります。運動するとO2を余計に消費するので、安静にしているときよりもPaO2が低下します。酸素吸入するとPaO2を上げることができます。

【HCO3

上昇(アルカリ性)

慢性的にPaCO2が高いので、腎臓の代償作用が働いてHCO3は上昇しています。PaCO2とHCO3の両方が高くバランスが取れていると、pHが正常値に近くなります。これを代償と言います。

【pH】

正常(7.40より少しアシドーシス側)

PaCO2が高く(呼吸性アシドーシス)、HCO3も高い(代償)ため、pHは7.35~7.40という正常範囲にあります(原因がアシドーシスなので正常値でもアシドーシス側)。

(『ナース専科マガジン』2012年10月号から改変利用)