お気に入りに登録

【連載】検査値の読み方

【心不全とは?】心不全の検査データはココ(左室駆出率など)を見る!

解説 古賀 宣彦

昭和大学病院 CCUスタッフ 主査 心臓リハビリテーション指導士

A98b1120712ae2558c294773114e59b32

心不全患者さんの看護に必要な検査データをピックアップしました。


心不全とは?

心臓のポンプ機能が障害され、心拍出量の低下を招き、主要臓器への酸素供給が満たされたくなった状態を心不全といいます。

心不全説明図

心不全

心不全の種類

  1. 急性心不全・・・血行動態が急激に悪化する
  2. 慢性心不全・・・血行動態が徐々に悪化する

右心不全と左心不全

  1. 右心不全・・・右心室のポンプ機能が低下して右心房圧が上昇し、右心房や静脈系に血液のうっ滞が起こり、全身に浮腫や肝うっ血を生じます。
  2. 左心不全・・・左心室のポンプ機能が低下して左心房圧が上昇し、左心房と肺静脈に血液のうっ滞が起こり、肺にうっ血を生じます。

心不全の原因

あらゆる心疾患が心不全の原因になります。

さらに、腎疾患、呼吸器疾患、内分泌疾患などの悪化や感染、ストレス、疲労、加齢なども原因になります。

検査データのココを見る!

1 心エコー検査

心エコー検査では、

  1. 心臓の運動異常や形態(肥大・拡大・弁の状態)
  2. 左心系の左室駆出率(LVEF)

を確認します。

【左室駆出率(LVEF)とは?】

左室の機能を示す指標です。
一般的に左室駆出率の基準値は60%前後で、60%以下は収縮不全とみなします。

※医師が画像読影したサマリーを参考にするとわかりやすいです。

2 胸部エックス線検査

急性心不全で搬送されてきた場合、胸部エックス線検査は欠かせません。以下3点を確認します。

  1. うっ血の程度
  2. 胸水貯留の程度
  3. 心胸郭比(CTR)

【心胸郭比(CTR)とは?】

胸郭横径(c)に対する心横径(a+b)の比率で表します。
通常は50%以下が正常です。

胸部エックス線検査

3 心電図

極端な頻脈や徐脈、その他、不整脈の有無を確認します。

4 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)

脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の濃度をチェックすることで、心不全の重症度がわかります。

【脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)とは?】

BNPは、心臓に負担がかかると血液中に分泌されるホルモンです。
値が高い程、心臓に負荷がかかっている状態と言えます。


>>次のページでは「凝固脳」「腎機能」「炎症データ」について解説します。