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【連載】検査値の読み方

ケトン体とは?検査で何がわかるの?

解説 田森 里佳

昭和大学病院付属東病院 内科外来 糖尿病看護認定看護師

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血糖値が高い場合にチェックすべき、「ケトン体」について解説します。
*2017年1月9日改訂


ケトン体とは?

インスリンが不十分であると、エネルギー源であるブドウ糖を細胞に取り込むことができなくなります。ブドウ糖は細胞に取り込まれず、血中に留まり、高血糖を招いてしまいます。このように細胞が血中のブドウ糖を利用できなくなると、細胞は脂肪をエネルギー源として利用するようになります。脂肪が分解されできた遊離脂肪酸は肝臓で酸化され、脂肪の代謝産物としてケトン体が作られて血中に増えてしまいます。ケトン体は酸であるため、これが血中に増えることで、血液が酸性に傾き、アシドーシスとなります。

糖尿病でケトアシドーシスが起こる原因としては、インスリン注射の中断や、ストレス、感染、清涼飲料水の多飲などがあります。インスリン依存型の1型糖尿病患者さんに多く見られます。

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ケトン体で何がわかるの?

血糖値が高い場合、まずは尿のケトン体の有無をチェックし、代謝異常がないかを見ます。簡易的な試験紙であるケトスティックスを使用すると早期に確認できるので血糖値とともに結果を報告します。

しかし、ケトスティックスではケトン体の主要成分である3-ヒドロキシ酪酸に反応しないため確定診断はできません。尿検査、血液検査でのケトン体を検査する必要があります。

糖尿病でも血糖コントロールが良好であれば、通常は尿中のケトン体は一定量以下で、尿検査では「-」と示されます。しかし、肝臓でのケトン供給が組織内での処理能力を超えると、血液中のケトン体が増加して尿中に排出され、尿検査では「±」か「+」を示します。ケトン体は酸性物質なので増加するとアシドーシスになります。

したがってケトン体だけでなく、重炭酸イオン($\rm{HCO}_{3}^{-}$)やpHの確認も必要になります。

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(『ナース専科マガジン』2014年10月号から改変利用)