• 公開日: 2014/1/27
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

2010年度(第99回)看護師国家試験 過去問題 午前97

【成人】48歳の男性。電気製品の販売員。労作時の息切れと易疲労感とを主訴に来院し、拡張型心筋症と診断され入院となった。入院時の脈拍112/分。血圧98/82mmHg。起坐呼吸をしている。最も起こりやすいのはどれか。

1.膿胸

2.血性泡沫痰

3.下肢静脈瘤

4.心タンポナーデ















―――以下解答―――

(解答)2  

<解説>

1.(×)膿胸とは胸膜の炎症により、胸腔内に膿性の胸水がたまった状態であり、拡張型心筋症の症状ではない。

2.(○)この患者は症状から考えて拡張型心筋症の症状であるうっ血性心不全(左心不全)を起こしている。うっ血性心不全では、心拍出量の低下とともに左房内圧の急激な上昇により、毛細動脈圧も上昇するために細胞内液が増加する。急性左心不全では、それが急激に上昇するため赤血球も漏出し、ピンク色(血性)の泡沫状の痰が起こる。

3.(×)下肢静脈瘤は、ほとんど老化が原因で、下肢の静脈が拡張し血液が滞ることでおきる。

4.(×)心担タンポナーデは、心嚢内や縦隔に体液が貯留し、心臓が十分に拡張できず、血液循環が行えなくなり心不全に陥る。原因は大動脈解離や外傷などである。

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