• 公開日: 2014/1/27
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

2010年度(第99回)看護師国家試験 過去問題 午前103

【成人】62歳の男性。妻との2人暮らし。55歳から高血圧で内服治療中。朝の散歩を日課としていたが、2日前から歩行時に右下肢がもつれる感じがあった。今朝の散歩時、立位がとれない状態になったため、妻に伴われて救急外来を受診した。頭部CTで左硬膜下血腫が脳実質を圧迫しており、緊急手術目的で入院した。入院時、意識は清明。体温36.7℃。呼吸数16/分。脈拍66/分血圧140/70mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈Sp02〉97%。瞳孔両側2mm、対光反射は正常。頭痛と嘔吐はなく、全身状態も安定していた。手術開始が2時間後と決まった。意識状態に変化はない。手術が開始されるまでに最も出現しやすい症状はどれか。

1.頭痛

2.頻脈

3.体温上昇

4.左下肢のしびれ















―――以下解答―――

(解答)1  

<解説>

1.(○)この患者の場合、2日前より徐々に症状が現れており、慢性硬膜下血腫と思われる。慢性硬膜下血腫とは、なんらかの軽微な頭部外傷後、慢性期に硬膜と脳の隙間に血腫が溜まって、脳を圧迫する。症状は、頭痛、片麻痺(歩行障害)、精神症状などが見られる。入院時は無症状だったが、徐々に症状が現れるとすれば、頭痛がもっとも考えられる。

2.(×)現在のバイタルサインのデータから考えて、頻脈になる可能性は少ない。

3.(×)体温中枢を障害する所見や感染の徴候などもない。手術前であり、体温が上昇する可能性は少ない。

4.(×)左硬膜下血腫が確認されているため、左下肢にしびれが出現することはない。また、手術までに急激に出欠が広がり、右脳を圧迫するとは考えにくい。

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