• 公開日: 2014/1/27
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

2010年度(第99回)看護師国家試験 過去問題 午後94

【成人】42歳の男性。会社員。2年前から単身赴任で働いている。朝食は食べず、昼食は社員食堂、夕食は惣菜や弁当を購入し自宅で食べている。週に1度は同僚と外食する。自宅での夕食時には焼酎をロックで2、3杯、就寝前にはウイスキーをロックで2杯程度飲む習慣がある。同僚と飲食した翌朝、腹痛と嘔気とで目が覚めた。通常の二日酔いとは異なる強い心窩部痛があったため受診した。意識は清明で呼吸困難はない。急性膵炎と診断され入院することとなった。

高値が予測される血液検査デー夕はどれか。

1.カルシウム

2.アルブミン

3.アミラーゼ

4.αーフェトプロテイン















―――以下解答―――

(解答)3  

<解説>

1.(×)急性膵炎は種々の原因により膵酵素が活性化され、膵組織を自己消化している。原因の一つとして、上皮正体機能亢進症があり、それは膵外分泌酵素のうち脂質代謝に関与する酵素が高脂質血症化に伴い、カルシウムイオンが活性化され、すなわち高カルシウム血症により膵管内結石を生じることになる。また、重症化した場合、膵組織壊死により遊離した脂肪とカルシウムが結合し、カルシウムが消費されるため、低カルシウムになる。 いわゆる急性膵炎の原因として高カルシウム血症が挙げられるが、重症化した場合にはむしろ低カルシウム血症となる。

2.(×)肝臓で生成され、血清タンパク質として栄養状態の指標となり、高値の場合脱水症が疑われる。

3.(○)膵臓で生成される消化酵素で、急性膵炎、慢性膵炎でも高値になる。

4.(×)肝細胞癌の腫瘍マーカーである。

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