【連載】心不全と呼吸不全のアセスメント

心機能と呼吸機能はどのように影響し合うの?

解説 山形 泰士

公益財団法人 日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 CCU /呼吸療法認定士/NST専門療法士/集中ケア認定看護師

心機能と呼吸機能は影響し合い、片方が悪くなるともう片方も悪くなります。
具体的にどのように影響し合うのか解説します。


▼心不全の看護について、まとめて読むならコチラ
心不全の看護|原因、種類、診断、治療


心機能が悪化すると呼吸機能にどのような影響があるのか

 心機能が悪化すると、左心不全の場合は肺うっ血が起こり、右心不全の場合は、体うっ血(浮腫、腹水など)が起こります。例えば、左心不全で考えてみましょう。

 何らかの原因で機能不全が起こり、左心室の収縮力が低下したとします。そうすると、左心房からの血液が十分に送られなくなり、左心房に血液がうっ滞してしまいます。左心房がいっぱいになってしまうと、そこに血液を送り込んでいた肺静脈がうっ滞することになります。


 その結果、肺うっ血となり、その状態が続くと、肺静脈の血管壁から血液中の水分が漏れ出して肺胞内に貯留し、最終的に肺水腫を招くことになります。

呼吸機能が悪化すると心機能にどのような影響があるのか

 呼吸機能が悪化した場合、酸素の取り込みと体循環の活性化させるために、脈拍や血圧上昇がします。さらに、低酸素血症を発症すると、酸素のある肺胞に、より多くの血液を送ろうとして、肺血管攣縮を起こし血管が細くなります。長期になると、肺動脈圧が上昇し、肺高血圧の状態となり、右心室から血液を送り出しにくくなります。

 これに伴い、右心室の収縮力は低下、右心房から大静脈にかけてうっ血が起こり、右心不全を引き起こすことになります。また、呼吸困難は、左心不全を一時的に悪化させ、悪循環をきたします。

 なぜならば、呼吸困難によって交感神経が活発になり、末梢血管抵抗が増大(血圧上昇など)し、左心室に負荷を与えます。また、呼吸仕事量の増加によって横隔膜の血流が増え、胸腔内圧を低下させるため、左心室では前負荷が上昇し、心負荷となります。

(『ナース専科マガジン』2014年11月号から改変利用)

【関連記事】
* 心不全の病態生理を理解しよう!
* うっ血性心不全とは? 発症の流れと症状

ページトップへ