【連載】基礎からまなぶ血液ガス

アシデミアとアルカレミアって何?

解説 飯野 靖彦(いいの やすひこ)

日本医科大学名誉教授

アシデミアとアルカレミアについて解説します。


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アシデミアとアルカレミアって何?

 アシドーシスやアルカローシスと違い、アシデミアとアルカレミアはあまり馴染みのない言葉と感じる人が多いかもしれません。

 臨床でも混同して使われていることがあるようですが、これらの意味の違いは、酸塩基平衡障害(特に重症患者によく認められる混合性酸塩基平衡障害)の概念を理解する上で重要になります。

 この2組の大きな違いは、

 1. アシデミアとアルカレミアがともに「血液の状態」
 2. アシドーシスとアルカローシスは、「血液が酸性またはアルカリ性になるような病態・変化」

 のことを意味している点です。以下で対比して説明してみましょう。

アシデミアとアシドーシス

 アシデミアとは、血液pHが基準値の7.40±0.05よりも減少している状態、つまりpH<7.35になっていることを示します。

 そして、血液が酸性(アシデミア)になっている原因が、例えばCOPDによる換気不全で、体内にCO2が蓄積されているとしたら、この病態がアシドーシスということになります。

 通常、この場合の血液pHはアシデミアになるはずですが、それと同時に嘔吐によるアルカローシスが加わると、血液pHがどちらに傾くかはそれぞれの病態の強さで決まります。

 つまり、嘔吐によるアルカローシスが強ければアルカレミアに、COPDの病態が強ければアシデミアになります。これが混合性障害です。アシデミアやアルカレミアを理解することは混合性障害を理解する一歩です。

アルカレミアとアルカローシス

 同様にアルカレミアは、血液pHが基準値の7.40±0.05よりも増加している状態、つまりpH>7.45の状態であることを示します。アルカローシスはそれをもたらした原因となる病態・変化のことを指します。

 例えば、過呼吸症候群によってCO2濃度が低下し、呼吸性アルカローシスを呈した場合、通常はアルカレミアを示します。

 ここに、糖尿病性ケトアシドーシスが加わると、HCO3の減少によって、血液はアシデミアになることがあります。

 このように複雑な病態を示す混合性障害を適切に見ていくためには、アシデミアとアルカレミア、アシドーシスとアルカローシスの概念の理解が欠かせないのです。

(『ナース専科マガジン』2012年10月号から改変利用)

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