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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第76回 残された人生をどう生きるか

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

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前回に引き続き、末期がんの患者さんを支え続けたスタッフのエピソードを紹介します。


精神的な落ち込みが激しく

末期がんの神山さんのご自宅へ訪問看護を始めてから約3カ月。元歯科医であり整体院の経営者という医療のプロだが、自身の病に負けそうな時もあった。歩くことも、排便することもままならない。身の置き所のない痛みや吐き気に襲われ、とにかく辛くてしょうがない。元来前向きに生きてきただけに、精神的に落ち込むことが増えていた。

そこに毎日訪問する、看護師の前田やヘルパーさん。「背中をさするだけでも、その行為がうれしいと喜んでくださいました。メンタルの部分を看護師やヘルパーでサポートしていた、という実感がありました」と前田は話す。

料理が日々の生きがいに

ある時、神山さんと料理の話になった。「神山さんの料理の腕前はプロ級だそうで、私も料理が好きだとわかると、得意料理のレシピを教えてくれることがありました。それが残された日々の中の生きがいになったのか、神山さんとの距離がぐっと近づいたように思いました」