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【連載】高齢者とくすり

たくさん病気をもっている高齢者は何科を受診すればよい?

解説 秋下 雅弘

東京大学医学部附属病院 老年病科 教授

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高齢者に必要な「老年科」「高齢診療科」について解説します。


日本の医療は、小児科を除いて、若年成人を対象に

  1. 臓器別
  2. 疾患別

に診療科が分かれています。

そのため、多臓器に障害を持った高齢者が治療を受けようとすると、臓器ごとに診察・検査・薬物処方されることになります。

たとえば、糖尿病で血圧も高く、骨粗しょう症を発症し、過活動膀胱で白内障の高齢者が治療を受けようとすると、

  1. 糖尿病は糖尿病内科
  2. 高血圧は循環器科や腎臓内科
  3. 骨粗しょう症は整形外科
  4. 過活動膀胱は泌尿器科
  5. 白内障は眼科

を受診するといったことが必要になります。

総合病院であればこれらの診療科を回ることもできますが、高齢者にとっては相当な体力が必要です。

小児が小児科を受診するように、高齢者には総合診療科、例えば、「老年科」「高齢診療科」が必要ではないでしょうか。

現在、このような科を掲げている病院は少数ですが、今後は高齢者を総合的に診る診療科が増えていくことが望まれます。

(『ナース専科マガジン』2014年12月号から改変利用)