【連載】高齢者とくすり

高齢者の薬物療法を安全に行うための3つのポイント

解説 秋下 雅弘

東京大学医学部附属病院 老年病科 教授

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高齢者の薬物療法を安全に行うための3つのポイントについて解説します。


ポイント1 薬は5種類まで

高齢者は複数の疾患を抱えているため、薬の数は増加してしまいます(多剤併用)。

多剤併用の問題点として

  1. 飲み忘れ・飲み間違い
  2. 処方間違い
  3. 薬剤間の相互作用

が挙げられます。

そこで「薬は5種類まで」を目安にする方向で意見がまとまっており(日本高齢医学会での検討の結果)、優先順位の低い薬は中止または減量していくことが求められています。

ポイント2 高齢者に適した種類と量を

高齢者は薬が効きやすいため、

  1. 投与量を減らすこと
  2. 少量から開始すること
  3. ゆっくり増量すること

で副作用や有害事象を防ぐことができます。

また現在は、高齢者向けの新薬がどんどん開発されているので、副作用の少ない薬剤に替えることを検討してみましょう。

ポイント3 治療目標はゆるやかに

高齢者の治療目標は「低すぎず、高すぎない」というさじ加減が大切です。

たとえば、基準値まで血圧を下げると、ふらついて転倒してしまう高齢者もいます。

また基準値まで血糖値を下げると、低血糖を起こす方もいます。

治療目標の考え方を変えてみることで、減らせる薬剤があるかもしれません。

(『ナース専科マガジン』2014年12月号から改変利用)