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【連載】達人のコツとワザ

ちょっとくらいSpO2は下がっても仕方ない?ー高齢者の肺炎・誤嚥性肺炎ー

解説 南雲秀子

湘南厚木病院 看護師長/米国呼吸療法士(RRT) / 保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

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ちょっとくらいSpO2が下がっても仕方ないと思っていませんか? その方のSpO2の目標はどのくらいですか? 目標(医師の指示)よりもSpO2が下がったら、急いで戻すことが大切です。SpO2が高すぎると問題になる患者さんでも、下がったときの対応は同じです。


SpO2が下がるとどうなる?

一般的に、治療中のSpO2の目標は90%または92%以上です。

心疾患などの合併症がある場合にはそれ以上の高い値が指示されることがありますので確認しましょう。

目標値よりSpO2が下がっている場合には、患者さんは低酸素血症であると言えます。低酸素血症では、体の細胞が活動に必要な酸素を十分受け取ることができません。

そこで、体はまず脈拍を速くしてできるだけ血液をたくさん末梢の組織に送ろうとし、これにより頻脈が生じます。

それでも酸素が足りなければ、患者さんは呼吸苦を感じます。また、不整脈や血圧上昇が起こることもあります。

SpO2を回復させるにはどうしたらいいのか?

SpO2が低い状態になることは患者さんが苦痛であるだけでなく、身体的に危険でもあり、その状態からできるだけ早く回復させることが大切です。

では、回復させるためにどのような方法があるのかを考えてみましょう。

はじめに、患者さんに咳や深呼吸を促します。

咳をすることで気管支に貯留してその先の肺胞への酸素の到達を妨げていた分泌物を除去してより多くの肺胞へ酸素を到達させることができます。

また、深呼吸をすることによって肺胞に到達する吸気の酸素濃度が上がるので、低酸素状態がさらに改善します。

もし強い咳や深呼吸が難しいようであれば、徒手的な呼気介助(スクィージングなど)で咳や深呼吸を補助することができます。