【連載】ケアを阻む高齢者の「困った」

第6回 睡眠障害のメカニズムについて(サーカディアンリズムなど)

解説 田中 秀樹

広島国際大学 心理科学部 教授

高齢者の睡眠障害のメカニズムについて解説します。


睡眠のメカニズム

高齢者の睡眠の特徴には「浅い」「効率の悪い眠り」などがあります。

また、日中に強い眠気が生じて居眠りが多くなるという特徴もあります。

現在、わが国では、高齢者の30%以上に、睡眠障害が認められています。

睡眠障害は夜間だけの苦しみでなく、日中の状態にも大きく影響を与え、QOLの低下につながります。

加齢に伴う睡眠障害を引き起こす生理的現象として、生体リズムの変化があります。

高齢者は若年者よりも深部体温が早い時刻から低下し始めることで、生体リズムの位相が前進し、夕方比較的早い時刻から眠くなり、朝早く目が覚めることが多くなります。

そのため、夜中に目が覚め、再入眠できないことを訴える人が多くなります。

睡眠のメカニズム説明図

さらに生体リズムの劣化に影響を及ぼす因子としては、

  1. 睡眠ホルモンといわれるメラトニンの分泌の減少
  2. 体内時計のある視交叉上核の機能低下

などが挙げられます。

このような生体リズムの劣化がサーカディアンリズム(概日リズム)の乱れを生み、睡眠障害を引き起こす要因となっています。

本来25時間周期であるサーカディアンリズムを24時間周期に中性する同調因子(光の受容、運動、社会的接触、食事の規則性など)が、高齢者では、減少・消失する傾向があり、このこともサーカディアンリズムの乱れに影響を及ぼしてします。

(『ナース専科マガジン』2014年12月号から改変利用)

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