【連載】ケアを阻む高齢者の「困った」

第9回 昼寝を活用しよう!高齢者の睡眠障害

解説 田中 秀樹

広島国際大学 心理科学部 教授

高齢者の睡眠障害の改善のための、昼寝の活用について解説します。


睡眠障害では、昼寝はせず、日中起きておくのがよいとかつては言われていましたが、時間を選んでの短時間の昼寝は睡眠障害の改善に有効であることがわかってきました。

特に高齢者の場合、夕方くらいに居眠りをすることが多く、それが夜間睡眠の質を悪くしているので、午後の活動性を高め、夕方以降の居眠りを減らすためにも、昼食後~15時の間で30分程度の昼寝が有効です。

長く寝てしまいそうな不安があるときは、ソファやイスにもたれて昼寝することで、深い眠りが避けられます。

また昼寝前にお茶やカフェインの入った飲料を飲むのも有効です。

カフェインは飲んで15~30分後くらいから効き始めるため、ちょうど昼寝が終るころに効いてくるので、すっきり目覚められます。

イメージイラスト

これまで昼寝の習慣がなく、昼寝をしようとしてもなかなか寝つけず、どうしても無理だと思う患者さんの場合は、目を閉じているだけでも構いません。

普段目から入ってくる外界の情報が減りますので、情報処理に対する脳の負担は減ります。

眠れなくても、それだけで脳を休息させていることになります。

続いては、「夕方の居眠りはいけない!」です。

夕方の居眠りはいけない!

夕方以降昼寝することによって、夜間の眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなりますので、睡眠障害では、夕方以降昼寝をさせないということがもっとも大切です。

また昼寝の時間の長さにも注意が必要です。

最近の研究では、30以下の昼寝は認知症の発病リスクを5分の1以下に軽減し、30分から1時間以上の昼寝は、アルツハイマー病の発病リスクを2倍に増加させると指摘されています。

習慣的な短時間の昼寝は効果的ですが、長すぎる昼寝は逆効果になります。

もし何時間も昼寝をさせているとしたら、これは大変な問題です。

夜間の不眠や徘徊につながることもあります。

(『ナース専科マガジン』2014年12月号から改変利用)

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