【連載】急変対応マニュアル

急変時の報告を事例でイメトレしてみよう!

解説 石井 恵利佳

獨協医科大学越谷病院 救命救急センター 看護主任 救急看護認定看護師

解説 浅香 えみ子

獨協医科大学越谷病院 救命救急センター 看護副部長 救急看護認定看護師


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急変時の対応


 急変に備えるためには、イメージトレーニングをすることをおすすめします。今回は、報告の仕方を事例を用いて解説します。


患者さんの状態

 275号室に入室している患者さんの点滴交換のために訪室すると、同室のNさんが胸をさすっています。

 「どうかしましたか?」と声を掛けると、Nさんは「お昼過ぎから胸が痛くて・・・」と答えました。

 Nさんは50歳代の男性で、糖尿病の治療・教育入院中です。看護師の問いかけに話はできるものの、その表情は苦しそう。

 発汗などショック症状はみられず、これまでNさんが胸痛を訴えたことがなかったため、「何かが起こっているのでは?」と思い、リーダーに報告することにしました。

「ISBARC」を使ってリーダーへ報告してみよう!

1.I:患者さんの同定
「275号室のNさんが」
2.S:患者さんの状態
「胸に痛みを訴えています」
3.B:臨床経過
「お昼過ぎから続いているようで、胸をさすっています」
4.A:状況評価の結論
「ちょっと何か変な感じがするので」
5.R:提言または具体的な要望・要請
「一緒に看てもらえますか?」

リーダーと一緒に1次評価を実施

1.A:気道
話ができるから大丈夫
2.B:呼吸
呼吸回数30回/分、SpO2 95%
3.C:循環
血圧160/90mmHg、心拍数90回/分
4.D:中枢神経
意識はしっかりしている、問いかけに返答できている
5.E:脱衣と外表、体温
問題なし

「ISBARC」を使って医師へ報告してみよう!

1.I:報告者の同定
「私は、5階北病棟の看護師・越谷です。275号室のNさんについての報告です」
2.S:患者さんの状態
「Nさんが、胸痛を訴えています」
3.B:臨床経過
「糖尿病の治療・教育入院です。バイタルは血圧160/90mmHg、心拍数90回/分、呼吸回数30回/分、SpO295%です。糖尿病はステージ3で、経口薬で血糖コントロールをしています。訴えは胸痛だけですが、圧迫痛で痛みが少しずつ強くなっているそうです」
4.A:状況評価の結論
「狭心症発作の可能性があります」
5.R:提言または具体的な要望・要請
「診察をお願いします」
6.C:指示受け内容の口頭確認
「すぐに来てくださいますね。来棟までに何か必要な処置、すべきことはありますか?」


(ナース専科「マガジン」2012年6月号より転載)

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