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【連載】急変対応マニュアル

【急変事例】子宮全摘出術後に頻脈・冷汗があった

解説 木下 佳子

NTT東日本関東病院副看護部長 急性・重症患者看護専門看護師

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子宮全摘出術後に頻脈・冷汗があったケースを「急変対応の思考過程」に沿って、考えてみましょう。「急変対応の思考過程」の1「おかしさに気づく」は満たすものとして、2以降の流れで考えていきます。


事例 子宮全摘出術後に頻脈・冷汗があった

Bさん(女性・60歳・体重50kg)は、子宮全摘出術を行いました。

手術は終了し、全覚醒で病棟に帰室してきました。現在は術後2時間ほど経っていますが、Bさんは30分ほど前から朦朧としています。

血圧は110/80mmHg、脈は120回/分で、手足は冷たく、汗をかいています。

また、創部に出血や浸出液はみられません

2 なぜおかしいと感じるのか?

全覚醒で病室に戻ってきたのに、30分前から朦朧としているというのは、明らかに意識状態が変化していると考えられます。

また、脈が120回/分と頻脈で、手足が冷たく汗をかいていることについても、正常な状態ではないことがわかります。

3 何が起こったのか? どんな可能性があるか?

朦朧としているのは、意識状態の変化であり、その上、頻脈や末梢冷感、汗などから、何らかのショック状態であることが考えられます。

  1. 術後であることから創部から出血し、出血性ショックが起こった
  2. 心原性ショックが起こり、意識障害、末梢血管の収縮による冷感が出現した可能性がある
  3. 術中・術後の水分出納バランスが崩れ、循環血液量が不足し、ショックが起こった(脱水/体液喪失)
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