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【連載】急変の判断と対応

【病態と原因】腹痛とは? 腹痛の種類、内臓痛・体性痛・関連痛とは?

執筆 山下 将志

聖マリアンナ医科大学病院 救命救急センター・熱傷センター 集中ケア認定看護師

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腹痛とは

腹痛は、急激な痛みを訴えて生命に危険を及ぼすものから、一時的で軽症のもの、反復性や慢性的なものまでさまざまです。腹痛の原因は消化器疾患に限らず、血管系疾患、婦人科疾患、泌尿器疾患など多岐にわたります。緊急度や重症度を見極めるためには「急性腹症」であるかを念頭において観察を行うことが重要となります。急性腹症とは、激しい腹痛を主訴として急激に発症し、緊急手術の適応か否かの判断が必要な腹部疾患を指します(表2)。

緊急手術・処置を必要とする疾患

腹痛の種類

腹痛は、内臓痛、体性痛、関連痛に大きく分けられます(表3)。

●内臓痛

 胃や腸管などの管腔臓器の収縮、伸展、拡張、痙攣などの刺激によって発生します。肝臓などの実質臓器も、腫脹などにより臓器を覆う被膜が伸展すると痛みが生じます。間欠的で「なんとなくおなかが痛い」というような違和感から激しい痛みまで幅広い痛みを訴えます。

●体性痛

 腹腔内臓器の炎症によって壁側腹壁や腸間膜が刺激されて痛みが発生します。「ここが痛い」というように痛みの部位が限局されており、持続的で鋭い痛みを訴えます。腹膜刺激症状を伴う場合は、緊急性が高い可能性があります。

●関連痛

 臓器の痛みを伝える神経が皮膚の痛みを伝える神経と合流することで発生します。痛みの発生源となっている臓器から離れた部位への放散痛や痛みの部位が移動することもあります。例えば、胆道系の異常では右肩や右側胸部に、膵臓や十二指腸の異常では背部に、心筋梗塞や狭心症では左肩や下顎に、痛みを感じることがあります。

内臓痛と体性痛

(ナース専科2015年1月号より転載)