【連載】月刊 小林光恵新聞

月刊 小林光恵新聞【第6号】生花持ち込み全面禁止、をさけるために

執筆 小林光恵

「エンゼルメイク研究会」「看護に美容ケアをいかす会」代表

今月は、「生花持ち込み全面禁止、をさけるために」と、「突撃! ナースの里帰り⑥」をお送りします。

第5回 差額ベッドの説明と同意について はコチラ


小林光恵の視点

日本感染症学会では、CDCが2003年に公開した「医療施設における環境感染制御のためのガイドライン」から次の文を抜粋して紹介しています。

「免疫不全がなければ花瓶の水や鉢植え植物は感染源とはなりません。移植患者や重症エイズ患者の病棟以外であれば制限は不要です」

しかし―――。

日本花き卸売市場協会の調査結果を報じた記事を読むと、生花持ち込みを禁止している病院では、一部の病棟にかぎっているのではなく、全面的に禁じているところが多い印象を受け、その点が気になります。

日本感染症学会が「免疫不全がなければ花瓶の水や鉢植え植物は感染源とはならない」とした上で「下記のような予防策を実行することは慎重な対応といえる。」と前置きして紹介している次の内容が、全面禁止のきっかけの一つになっているのではないかと思います。

  1. 花や植物は患者に直接接しないスタッフが取り扱う。
  2. このような対応が困難ならば花を取り扱うスタッフは手袋を装着する。
  3. 植物を扱った後は手を洗う。
  4. 花瓶の水は隔日に交換して、水は患者身辺の環境から離れた流し台に捨てる。
  5. 使用後の花瓶は洗浄する。

これを受けて、たとえば次のような意見が皆から出たのではないでしょうか。

「やはり、今の時代、慎重な対応をしたほうがいいよね」

「でも、一体誰がこれをやれるというの?」

「そんなことをやる余裕は誰にもない」

「そもそも、ベッド周辺に花瓶だの花のアレンジメントだのがあると処置の邪魔になるし、落として花瓶が割れる危険もあるし、水をこぼして転倒のリスクも高くなる」

「中には花アレルギーの方だっているし」

「それに、一部病棟だけ持ち込み禁にするとそこの人たちの病状をアナウンスしているみたいで問題じゃない?」

「だから、とにかく、全面的に持ち込み禁にこしたことはないんだよ」

そうだ、そうだ! と思います。

でも。

生花持ち込み全面禁止という事態に、心を痛めているナースが少なくないのではないでしょうか。

植物がメンタル面に大きなプラスの力をもたらすのを知っているからこそ、 ナースは、たとえば、かなり前から粛々と準備をして苦労して患者さんをお花見に連れ出したりするわけですよね。

そこで私は提案したいのです。

施設内に、「お見舞い花・植物などの管理者」といったポストを新しく創出するのです。

花屋さんに医療分野の一定の講習を受けていただき、そのポストを認定するような形でもいいかもしれません。

そして前出の①~⑤の作業などを日々専任で行ってもらうのです。

そのための財源は診療報酬が理想だと思います。

その専任者を雇用していれば加算がつく、といった方向性がよいかと思います。いかがでしょうね。

突飛な発想でしょうか。お花などを持ち込めるかどうか、なんて些末な問題でしょうか。違うと思います。

もし私が入院したなら、病状にさしつかえなければ、お見舞いの生花をいただいたら大喜びしてベッドサイドに飾りたいし、自分で買ってきてでも花を飾りたいとも思います。

また、身近な誰か、それも花が好きな人には特にお見舞いに持って行きたいと強く思うのです。

「死と隣合わせで生活している人は、生死の問題よりも、一輪の花の微笑が身に沁みる」

小説『パンドラの匣』より

「ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは人間だし、花を愛するのも人間だもの」

小説『女生徒』より

イラスト

突撃! ナースの里帰り⑥

里帰りアンケートで、帰省する際に持参するお土産について、特定のものや商品名を書いてくれた結果を次に列記します。

商品名のあとには、回答した方の現在の住まい→帰省先を書きます。

「東京ばなな」4名

  1. 横浜市→石川県小松市
  2. 市川市→広島市
  3. 足立区→長野市
  4. 練馬区→香川県観音寺市

「おたべ」2名

  1. 大阪市平野区→京都府舞鶴市
  2. 大阪市→京都府

「バームクーヘン」2名

  1. 品川区→長崎県対馬市
  2. 小田原市→名古屋市

「炭酸せんべい」

  1. 宝塚市→鳥取県浜村

「伊勢丹の果物」

  1. 神奈川県東大和市→相模原市

「おかき巻き万」

  1. 西宮市→熊本県人吉市

「『満天の星』ほうじ茶大福」

  1. 高知市→高知県高岡郡

「笹団子」

  1. 上越市→熊本市、大阪府高槻市

 

「シークワーサージュース」

  1. 那覇市→大阪府枚方市

「赤福」

  1. 津市→静岡市、横浜市 

「麩饅頭」

  1. 名古屋→柳川市

「カステラ」

  1. 長崎市→広島市

「蓬莱豚まん」

  1. 茨木市→鹿児島県阿久根市

「宮崎牛、豚の味噌漬け」

  1. 宮崎市→大阪府泉佐野市

「シュウマイ」

  1. 横浜市→岡山市

「日本酒」

  1. 奈良県橿原市→大阪市 

「きたかろう(北菓楼)」

  1. 北海道新十津川町→岩見沢市

「クラブハリエ(洋菓子店名)」

  1. 大阪市→神戸市

「不二家のケーキ」

  1. 愛知県愛西市→愛知県海部郡

 

「柿の葉寿司」

  1. 奈良県橿原市→高知県高岡郡

 

「こんにゃく、どんこ(干し椎茸)」

  1. 愛知県北設楽郡→愛知県半田市

 

「精肉関係で働いている知人から買った肉」

  1. 栃木県下野市→東京都武蔵野市、埼玉県狭山市

アンケートの全回答者462名のうち、帰省の際にお土産を持参すると答えた人が266名で、そのうちの29名の方が、上記のように特定の物や商品名を書いてくれました。

住まいとの関連やお土産選びへのこだわりが想像できてたのしいですね。

今回のイラストでは、「精肉関係で働いている知人から買った肉」と書いてくれたナースをご紹介します。

突撃! ナースの里帰り⑥イラスト


いかがでしたか? 来月号もお楽しみに!

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