【連載】苦手克服応援企画【心電図】

QT延長症候群・QT短縮症候群とは?

解説 曽原 寛

葉山ハートセンター 不整脈センター部長

監修 曽原 寛

葉山ハートセンター 不整脈センター部長

QT延長症候群・QT短縮症候群について解説します。


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QT延長症候群とは?

 QT間隔が延長する症候をQT延長症候群といいます。

 心室頻拍、心室細動を引き起こし、失神発作や突然死などをまねくことがあります。心室頻拍のなかでも、トルサード・ポアンという特殊な形状の波形がみられることもあります。

 不整脈の発作がないかぎり、自覚症状はないため、治療が遅れ突然死となるケースがみられます。発作の予防には薬剤を投与しますが、難治例では植込み型徐細動器(ICD)を入れることもあります。

QT延長の原因

 QT延長の原因としては、

 1. 臓の細胞にあるナトリウムチャンネルやカリウムチャンネルなどイオンチャンネルの異常
 2. 交感神経の異常
 3. 薬剤や電解質異常
 4. 心筋梗塞などの心疾患

 などが挙げられます。

QTc時間延長の診断基準値

 研究者によって、QTc延長の診断基準に違いがあります。Schwartzらが提唱している基準値は、0.44秒です。

QTc時間の補正式

 QT時間は、心拍数により変動するので、RR時間を使って補正をします。補正したQT時間をQTc時間といい、以下の式によって算出することができます。
Tc時間の補正式

QT短縮症候群(short QT syndrome)

 最近では、QT時間の短縮(図6)も心室頻拍や心室細動を引き起こし、失神発作や突然死などに至る例があることがわかってきました。遺伝性の疾患で、同一家系内に複数の患者さんが認められます。薬剤治療では、QT時間を延長させる硫酸キニジンが用いられます。

図6 QT短縮症候群の波形の例QT短縮症候群の波形の例

QTc延長の診断基準値

 研究者によって、QTc 延長の診断基準値に相違があります。性差や年齢によって異なる基準値を提唱している場合もあります。Schwartzらが提唱している基準値:0.44秒

(『ナース専科マガジン』2010年1月号から改変利用)

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