【連載】逝去時のケアを極める

【ご遺体管理Q&A】最近は火葬までの時間が長くなっている?

執筆 伊藤 茂

長沙民政職業技術学院 遺体管理学 教授

ご遺体管理に関するQ&Aをご紹介します。


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Q.最近は葬儀や火葬までの時間が長くなっているって本当ですか?

A.葬儀集中による火葬場問題も、葬儀を行わない「直葬」の増加により、現在は解決に向かっています

 一昔前までは自宅や集会場で行っていた葬儀を火葬場や斎場で行うようになり、火葬場が混んでいて、火葬まで7~10日間待たされるとの噂を聞きます。

 実は、この噂は正しくありません。

 混んでいるのは火葬の希望が集中する時間帯と火葬場に併設された葬儀場の使用であり、火葬だけを行う場合には、希望時間を火葬の集中する昼前後から午前中の早い時間や午後の最終時間にすれば、待ち日数はほとんどいりません。死亡から1~2日程度でも可能です。通夜や告別式を火葬場以外で行い、火葬場では火葬だけを行えば問題はないのです。

 ただし、年末年始は例外です。火葬場も休みに入り、年末に死亡された患者さんの火葬は死亡された地域により大きな差が出ています。

 例えば、東京23区以外はほとんどが公営火葬場で、大都市の火葬場は年末年始の1~2日程度しか休まないようになりました。

 一例を挙げると、


 1. 1月1日だけが休み都市・・・大阪市、名古屋市、京都市、福岡市、札幌市、仙台市、川崎市
 2. 1月1~2日だけが休み都市・・・横浜市、神戸市、広島市、金沢市

 中小の市町村には、3日程度の休みを設定している自治体もあります。

 一方で、東京23区内には火葬場が9施設ありますが、そのうち7施設が民間であり、国内では唯一の民間火葬場依存地区といえます。23区内の民間火葬場は12月31日~1月3日まで、公営火葬場は1月1~3日までの火葬業務を行いません。

 そのために、国内で最も死亡者数の多い東京23区内が、最も火葬場の休みが長いという状況にあり、年末年始に東京23区内で火葬を希望する場合には、火葬まで7~10日程度を要するとの問題もあります。

 年末年始の東京23区内のような場合には、ご遺体の乾燥防止対策に重点を置く必要があり、12月28日~1月7日頃までに死亡されたご遺体では、他の都市で死亡したご遺体よりも乾燥リスクは高まっています。

(『ナース専科マガジン』2015年2月号から改変利用)

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