【連載】逝去時のケアを極める

逝去時のケア【ひげそり編】

執筆 野島 陽子

地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 皮膚・排泄ケア認定看護師

逝去時のケアの方法とポイントについて解説します。今回は【ひげそり】についてです。


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ひげそりの手順

手順1 温かいタオルでひげそり部を温め、皮膚に水分を与えます。

【理由】

 蒸しタオルで温めることによって表皮とひげに水分を与え、剃刀の引っかかりによる表皮の剥ぎ取りを抑えます。

手順2 泡立てた石けん、洗浄剤もしくはシェービングクリームをひげそり部へ塗布します。

【理由】

 シェービングクリームや石けんの泡を使用することで、ひげへの潤いを与えるうえに、表皮との間の抵抗性を低下させる。

手順3 電気カミソリ(もしくは2枚刃以上の安全カミソリ)で剃毛し、押え拭きで除去し、保湿します。

【理由】

 皮膚の表面を傷つけないよう摩擦刺激は極力防ぎます。

ケアのここに注意!

 ひげそりは十分配慮し、愛護的に実施しなければ、不可逆的な変化をもたらすことになります。安全刃ではないカミソリでの剃毛や、長い毛をカットせずにいきなりカミソリで剃毛するなどすると、表皮剥離を生じます。

 このように表皮層を剥ぎ取ってしまうと、真皮層が露出し乾燥するため、その部位の皮膚は収縮・硬化し、色調は褐色化します。
これは、革皮様化という現象で、皮膚が「革製品のベルト」のように固くなる状態をいいます。そのため、生前よりも愛護的なひげそりを心がけましょう。

(『ナース専科マガジン』2015年2月号から改変利用)

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