【連載】血液ガスの基礎知識とアセスメント

酸素化の評価のポイントは?

解説 南雲秀子

湘南厚木病院 看護師長/米国呼吸療法士(RRT) / 保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

みんなが苦手とする血液ガス分析。この連載では、Q&A方式でわかりやすく解説します。今回は「酸素化の評価のポイント」について取り上げます。


3つの要素からアセスメントする

酸素化を評価するときは、PaO2の値の目標をどこにおくかが重要になります。

そのためには、PaO2の正常値(図1)に加え、患者さんの

  1. 年齢
  2. 基礎疾患
  3. 現時点での病態

の3つの要素を合わせてアセスメントする必要があります。

つまり、基準値はあくまでも目安であって、患者さん個々の状態に応じて目標を設定していくことが大切です。

PaO2の評価

1.年齢

PaO2は年齢によってその正常値が異なり、高齢になるほど低くなります。

[年齢ごとの正常値の求め方]

仰臥位:PaO2=100-0.3×年齢

座位:PaO2=100-0.4×年齢

年齢別PaO2の正常値

酸素化の目標値として、PaO2を80torr以上に設定することが多いと思いますが、70歳以上の患者さんの場合は、あまり高い数値を求めなくてもよいでしょう。

95歳くらいになると、計算式で求められる数値より、もっと低くても大丈夫ということもあります。

2.基礎疾患

心筋梗塞や不整脈、喘息の発作、貧血などの疾患によっては、酸素化の目標数値を高めに設定することが必要です。

心筋や中枢神経系の保護、患者の自覚症状の軽減等のためです。

逆にCOPDなど慢性呼吸不全の病態では、もともとPaO2の値が低いことで安定した呼吸を維持しているため、目指す数値は90%以上など低めになります。

3.現時点での病態

現時点での病態の評価も大切です。

目の前の患者さんのバイタルに変化があるとき、何L/分の酸素を投与すればどのくらいのサチュレーション、脈になるのかを毎回注意して観察します。

例えば、どんどんサチュレーションが下がっているとき、その患者がCOPDだからと酸素投与をひかえるのではなく「SpO2 90%をキープするためにどのくらいの酸素投与が必要なのか」を評価していきます。

(『ナース専科マガジン』2010年4月号から改変利用)

ページトップへ