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【連載】栄養療法のチカラ

がん治療中、食事で困ったこと~抗がん剤服用患者の栄養補給に関する調査結果より~

株式会社QLife(キューライフ)が全国のがん患者さん500名に行った栄養補給に関するアンケートによると、抗がん剤治療を行ったがん患者さんの多くが「倦怠感・疲れ」「食欲不振」「嘔気・嘔吐」等の症状により、食事に影響して困っていることが明らかとなりました。


抗がん剤服用患者における栄養補給についての調査結果の概要

調査内容

●調査実施会社:株式会社QLife(キューライフ)

●調査対象:抗がん剤の服用経験のあるがん患者500名

・入院治療中( 13名/ 2.6%)

・通院治療中(157名/31.4%)

・治療終了 (330名/66.0%)

●調査目的:がん治療における栄養補給の現状を理解し、解消ポイントを確認する

●調査方法:インターネット

●調査時期:2014/1/12~2014/1/21

抗がん剤治療中、どんな症状がありましたか?【複数回答】

回答集計グラフ

食事の面で困ったことはありますか?

回答集計グラフ②

医師や栄養士から、抗がん剤治療中の栄養補給について指導はありましたか?

回答集計グラフ③

抗がん剤治療中の栄養補給について医師や栄養士の指導は実践しましたか?

回答集計グラフ④

医療者に栄養補給方法について相談したことはありますか?

回答集計グラフ⑤

処方、または勧められた栄養剤や栄養補助飲料を使ったことはありますか?

回答集計グラフ⑥

抗がん剤服用患者さんには適切な栄養指導が必要です

適切な管理で副作用の症状を軽減しつつ、適切な栄養療法を行うことは、患者さんの潜在的ニーズ(食事に困っている)に応えることになり得ることが示唆されました。

現状では、食事で困っている人は半数以上存在するにも関わらず、がん治療中の栄養補給に関して医療従事者に相談したことがある患者さんは約4人に1人、医療者から栄養剤や栄養補助食品を薦められ、服用した経験がある患者さんは約6人に1人しかいないという結果になりました。

がん治療中の患者さんの栄養状態を維持するには、「食べられる物を食べてください」、「何でもいいから食べてください」という食事指導だけではなく、土台の栄養をしっかりと摂取し、その上で食べられる物を食べるといった、バランスのとれた食事指導法がより適切かも知れません。

最近では、ONS(経口的栄養補助:普通の食事に加えて、「経腸栄養剤」や「濃厚流動食」を飲用し不足分の栄養を補うこと)をすることで、再入院率が少なくなる、合併症が少なくなる、医療費が少なくなるといった結果が報告されています。

ONS(経口的栄養補助)とは?

「ONS」って何?

「経口的栄養補助」のことで、英文ではOral Nutrition Supplementationといい、頭文字をとってONSと呼んでいます。普通の食事に加えて、「経腸栄養剤」や「濃厚流動食」を摂取することで、不足分の栄養を補おうというものです。

ONS説明図

「経腸栄養剤」って何?

体に必要な栄養素をバランス良く含んだ医療用医薬品です。

病気などが原因で食事だけでは栄養が不足する場合に、栄養素を効率的に摂取できます。お医者さんから処方された場合、健康保険が適用されます。

ONSにはどんな効果があるの?

ONS説明イラスト

ONSで食べる気力と体力をつけましょう

日々の食事を楽しむためにも、土台になる栄養の確保は大切です。年齢とともに食べる量が減り、体重も減少してしまいます。ONSにより栄養の土台をしっかり築くことで、通常の食事を食べられる気力と体力をつけることが大切です。

栄養の確保についての説明図

がん患者さんの栄養に関する悩み事をONSで解決する方法について、患者さんやご家族にご紹介されてみてはいかがでしょう。

参考文献

1)Philipson TJ et al:American Journal of Managed Care,19(2)121-128,2013.

2)Janice S et al:Clinical Nutrition,27:340-349,2008.

栄養問題を我慢しがちな抗がん剤治療患者~抗がん剤治療経験者対象 栄養補給に関する調査
抗がん剤服薬患者の栄養補給に関する調査結果報告書

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