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【連載】看護に役立つ生理学

第16回【ヘモグロビン代謝】どうやってヘモグロビンがビリルビンになるのか

執筆 梵天ゆとり(ぼんてん・ゆとり)

医師、日本医学放射線学会会員

肝・胆道疾患や血液疾患の病態把握に重宝されるビリルビンとウロビリノーゲン

これらが異常を示す疾患は多岐にわたります。その上、血液と尿の所見を組み合わせて判断する局面も多く、また間接/直接ビリルビンの違いなど、理解しにくい要素がたくさんあります。
いずれの物質も、ヘモグロビンの代謝によって生じるものですが、その過程には「腸肝循環」という独特の回路が存在するため、話がさらに複雑に見えてしまうようです。

そこで今回は、腸肝循環の仕組みを解きほぐしながら、ビリルビンやウロビリノーゲンにまつわる病態生理を理解していくことにしましょう。


ビリルビンの流れを知っておく

まず、ヘモグロビン代謝の過程のうち、臨床に直結する部分だけを抽出してみましょう。
下図のように、赤血球破壊からいくつかの段階を経て間接ビリルビンが生まれ[図-(1)]、これが肝臓で直接ビリルビンに変換されて[図-(2)]、胆道を経て腸管に排泄されます[図-(3)]

さらに直接ビリルビンは腸内細菌によってウロビリノーゲンとなり、腸管から再吸収されて体循環に入ったのち、最終的に腎から尿中に排泄される、という流れになります(ここではあっさり済ませてしまいましたが、忘れてしまっている人のために、第34回ではこの過程を詳しく解説します)。

臨床的には、ひとまずこの図式さえ頭に叩き込んでおけば、各疾患と検査値異常との関係を論理的に理解することができます。
図を読み解く際の基本は、「青い矢印で示したビリルビンの流れの上流が亢進、あるいは下流が停滞していれば値が上昇し、その逆ならば値は低下する」ということです。

ビリルビンの流れ説明イラスト

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