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【連載】平手先生の心電図苦手克服応援企画

なんでみんな心電図が苦手なの? 2

取材 平手 裕市(ひらて ゆういち)

名古屋掖済会病院 心臓血管外科 部長 中部大学 生命健康科学部 特任教授  えきさい看護専門学校 非常勤講師 愛知県臨床工学技士会 顧問

Hira

Aikyatti

読むのが難しい心電図モニターの波形。でも心電図の波形が読めると、看護師にはどんな良いことがあるの? そしてどのくらい勉強すれば読めるようになるの? 『平手先生の モニター心電図講座』(エス・エム・エス刊)の著者でもある平手裕市先生に、そんな質問をぶつけてみました!


「変化に気づく」で、大事なことの半分はクリア!?

――――実際のところ、看護師はどこまで波形を判読できるようになればいいのでしょうか?
平手先生  心拍数の変化、調律の変化(不整脈)、波形の変化を見落とさなければ、心電図をモニターしている目的の半分は達成できています。

変化には2種類あって、モニターしている心電図が、さっきまでと違うと気づく「変化」と、正常心電図と比べどこが変わっているかと判読する「変化」です。

残りの半分は、その変化の意味を理解することです。それには、地道に勉強する必要があります。

――看護師が波形を判読できると、どんないいことがありますか?
平手先生  患者さんが救われます。

よく、「急変した」と言われますが、本当の急変はそれほど多くありません。「突然容態が変化するまでその徴候に気がつかなかった」と言った方が正しいこともあります。心電図に限ったことではありませんが、心電図もリアルタイムにさまざまな情報を提供してくれていて、時にはいち早く異常を発見し、急変を未然に防ぐために役立ちます。

VTやVFに気がついて、素早い対応で危機を乗り切るよりも、その前に現れていたR on Tや、VPCの増加傾向に気付いて原因を除き、VTやVFを回避できれば、患者さんにとってはるかに良い看護ができたと言えますね。

――そのレベルに達するためには、どのくらいどんなトレーニングを重ねればいいのでしょうか?
平手先生  1日8時間を、2日間勉強すれば、ゴールまでの半分は達成できます。

かなりコンパクトにまとめても、不整脈全般の理解に1日、波形の変化の理解に1日を要します。「誰にでもシリーズ 心電図講習会」の初級コースと中級コースが、それぞれ約8時間を要する理由です。

その後、月に1度、1時間半の演習とテストを10回、約1年かけて後の半分を達成するように開いている勉強会が、上級コースになります。しかし、上級コースは、私の所属する名古屋の病院でしか行っていません。

上級コースに参加できなくても、中級コースまで参加するか、同程度の内容を独力で勉強し、後は現場で活用し、良い指導者を見つけてスキルアップすれば、誰でもモニター心電図を活用できるレベルにたどり着けますよ。

次回は、「平手先生が講習会で教えたり本を書くときの工夫」についてお聞きします!

お知らせ平手裕市先生が新刊を出しました!


『楽しく入門!心電図の冒険 キャプテンHと海賊たち』(平手 裕市 著)

(B5判、136ページ、フルカラー、定価1,800円+税、シナジー刊)
カリブ海の港に暮らす3人の若者が、海賊から港を守るために、元船乗りのキャプテンHに弟子入りし、波(波形)を読む勉強を始めるストーリー仕立ての心電図の本。
楽しみながら勉強できて、いつの間にか基礎が身につくという、いままでになかったユニークさ。一度読んでみよう!
書籍紹介

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