【連載】口腔ケアって簡単に言うけどねぇ…

第4回 どうやる? 外科手術周術期のオーラルマネジメント

執筆 関谷秀樹

東邦大学医療センター大森病院 栄養治療センター嚥下障害対策チーム長、がんセンターがん口腔機能管理部長、口腔外科、東邦大学医学部口腔外科学教室


手術室看護師はどこをみる?

みなさん、こんにちは。今回のテーマは、「外科手術の周術期管理と口腔ケア(その1)」です。

第1回でお話したように、口腔ケアを含むオーラルマネジメントは、各チーム医療の場面で重要な役割を果たします。

「外科手術周術期におけるオーラルマネジメント」を2回に分けて考えていきましょう!

「その1」の今回は、全身麻酔周術期のオーラルマネジメントについてです。看護師さんの視点から全身麻酔を考えた時に、「手術室看護師」としての患者さんとの関わりと「入院後の病棟看護師」としての関わりの2つにわけられると思います。

「手術室看護師」の視点は (1)全身麻酔についての理解 (2)挿・抜管時のトラブル (3)術後合併症予防(静脈血栓症、術後肺炎など) (4)術後疼痛管理 (5)周術期の服薬チェック だと思いますがいかがでしょうか?

その中でオーラルマネジメントを含むところは(2)と(3)です。挿・抜管時のトラブルの代表的なものは、歯の損傷や脱落事故です。

当院では図1のように、テュースガード(当院名称)(以下TG)という歯牙保護用の装具を装着します。

気管内挿管時のメタルボンドなど自費の歯牙保護床を作成、実際の写真

図1

手術室看護師はその必要性について説明を行い、周術期センターにいる歯科衛生士さんが、口腔トリアージにより歯牙保護の必要な患者を麻酔医に上申して、(歯科)口腔外科に依頼を書き、TGを作成してもらう流れになっています。

病棟看護師が担う役割

(3)に関しては、術前の口腔ケアが重要です。口腔内が汚染していると挿管時に口腔細菌を気管につれていってしまいますので、口腔細菌数を減らして挿管に臨みたいところです。

そのためには、事前に口腔の感染源については看護師さんよりかかりつけ歯科への歯石除去や治療受診を勧めることが重要です。

これには、手術前に麻酔科や手術室スタッフに受診するシステムを構築しないと口腔ケアに十分な時間をとることができません

「入院後の病棟看護師」の視点は、術前は手術室看護師と同じですが、それを入院後に確認することが必要です。

TGやかかりつけ歯科でのケアを行ったか、これを聞く習慣がこれからの周術期医療を発展させるのだと思います。術後は離床できない時の(セルフケアできない時の)ケア介入が重要です。

図2のように、歯ブラシと舌ブラシを使った、保湿して浮かせてはがして、硬い吸引管で除去する形がよいと思います。

口腔ケア実際の写真

図2

次回は、外科周術期(その2)です。外科手術の視点から、口腔ケアとオーラルマネジメントについて解説していきます。

それではまた次回。Tschüs! Bis dann!(さようなら。またね。)

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