【連載】山内先生の公開カンファランス

第17回 脊髄損傷3週間後に急な呼吸苦を訴えた患者さん

解説 山内 豊明

名古屋大学大学院医学系研究科 教授 医学博士/看護学博士/医師/看護師/保健師/米国・登録看護師、診療看護師


今回の事例
[T.Oさんから提供された事例]

脊髄損傷の患者さんが受傷後3週間ごろに、急な呼吸苦の訴えがありました。そのときのSpO2は80台後半となっていました。元々医師より「SpO2は95%をキープ、酸素は3Lまで」という指示が出ていました。

→このようなとき、どう対応する?


今回は呼吸苦とSpO2の低下が見られる患者さんについて、みなさんにアセスメントしてもらいました。どのような行動をするのかを見ていきましょう。

まずは、患者さんに呼吸苦とSpO2が80台後半になったとき、あなたが行うと思うことを選んでもらいました。回答者数は420人。複数回答可となっています。


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山内先生の解説


みんなの回答

患者さんに呼吸苦が出現し、SpO2が80%台後半になったとき、あなたが行うと思うことをすべて選んでください

回答割合グラフ

上記のような結果となりました。では、その他を選んだ人はどんなことを行うのか見ていきましょう。

●体位の確認、起座位にする。(オッケさん)

●呼吸状態。麻痺の観察。(デラックスさん)

●モニター装着。(アソパソマソさん)

●気道閉塞の有無の確認、安楽体位の保持。(anjuさん)

●用手的胸部圧迫による排痰介助。(みほみほこさん)

●体位がきついかもしれないので体位を工夫する。(さといも。さん)

次はそのピックアップしたことをどの順番で行うか、またなぜその順番で行うかの理由も聞きました。

上記でピックアップしたことをどの順番で行うか、なぜその順番なのか?

●応援を呼ぶ、バイタルサインの確認、主治医に報告、酸素投与、吸引
→主治医を呼びに行くにしろ、バイタルサインを確認するにしろ、物を取りに行ったり、電話のあるところまでいかないとならない。その間、患者を一人放置することになるので、そのあと急変した場合対応できないので、まずは人を呼ぶ。
主治医に報告する場合、何を報告したらいいのか、状態を把握していないと分からない。ケースバイケースだが、先にバイタルサインの確認をしたうえで主治医に報告する(状況がせっぱつまっているときは別)。医療行為は医師の指示がないと基本はできないことになっているので、医師の診察の後酸素投与。ただ、その前に応援に来てくれた人に頼んで、酸素の準備はしてもらっておくことは必須。吸引は最後にもってきたけれど、バイタルサイン・全身状態の確認をして、気道に何かありそうな場合は、吸引はもっと前の優先順位になる。(すももさん)

●応援を呼ぶ、酸素投与、バイタルサインの確認、主治医を呼ぶ
→まず、迅速評価で異常な状態と判断し応援要請。その間にABCを確認し、可能であれば酸素投与し、バイタルサインを確認。アセスメントした上で、医師にISBARC報告。(ちゃとらんさん)

●バイタルサイン→吸引→酸素→応援→主治医
→一般的な流れとしては…、現状を把握しながら対応して応援を読んで主治医を待つ…。(設定さんさん)

●バイタル測って、酸素投与したり、痰があれば吸引したり体位変換をしたりするが、それでもあがらなければすぐに主治医に報告します。主治医は忙しいためいつも落ち着いたら主治医報告します。
→すぐに主治医に報告はしません。指示範囲内のことをしてダメな場合はすぐに報告します。(ゆうさん)

●酸素を投与、応援を呼びながら、バイタルサイン測定、ABCD評価とキラーシンプトム確認、主治医に報告
→まずは酸素低下の改善を図るために酸素投与をし、ナースコールで応援を呼んでいるうちにバイタルを測りながらABCD評価とキラーシンプトムを見つけ、何が起こっているかアセスメントし、観察した内容とアセスメント、指示をもらうため医師に報告する。(みつやさいだーさん)

●まずバイタルをとり、酸素投与、その間に応援や主治医連絡を行います。(ひとちんさん)

●応援、主治医、酸素、バイタルサイン
→急な呼吸苦から、肺硬塞の可能性がある為応援を呼び主治医に連絡してもらい酸素準備も依頼し自分はバイタルサインを確認する。その場を離れない。(レイさん)

●バイタルサインの確認 酸素 吸引医師を呼ぶ応援
→脊損による、呼吸抑制であり、循環系に影響がでます。酸素は脳への異常、ダメーシがあるので必要。順番にかきましたが、すべては同時に行う迅速さが必要。(ケセラセラさん)

●意識レベルの確認、 顔色 手指の冷感の有無、酸素投与、バイタルサインの確認
→まずは低酸素による意識障害が無いかを確認し、手指の冷感により正しく測定できていないことは無いか確認。指示に95%キープ酸素3Lの指示があるので行う。(Yさん)

●バイタルサインの確認、吸引する、酸素を投与、応援を呼ぶ、主治医に報告
→早い段階で主治医に報告する前に、看護師サイドで出来ることを施行し、それでもSpO2が上がらない場合に主治医、もしくは当直医に報告するようになっているから。(リーフレタスさん)

●酸素を投与、主治医にすぐ報告、バイタルサインの確認、吸引する、応援を呼ぶ
→呼吸苦を訴え、SpO2低下があるため、すぐに酸素投与し呼吸苦の」改善とSpO2上昇を試みる必要があると考える。その後、主治医にすぐ報告し、主治医到着までにバイタルサインを確認し、全身状態を把握しながら、気管内痰除去を行い、蘇生のために応援が必要と考えるため。(匿名さん)

●酸素投与しながら、吸引・呼吸音の確認、バイタルサイン測定し主治医に連絡
→脊髄損傷なので、自力での排痰ができない状態であり無気肺や肺炎などの可能性があるため低酸素血症を予防する目的でまずは酸素投与しながら原因を検索する。
また、急激な発症であるため気胸などのルールアウトも必要。呼吸音の確認は必要。酸素等予後、速やかに酸素飽和度が改善しない場合は、医師への報告を優先するが、改善した場合はバイタルなど確認後報告する。(なおさん)

多くの方が回答してくれていますので、次ページも引き続き、みなさんのアセスメントを紹介していきます。

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